診療科・部門
高齢者医療センター
診療体制

(教授)
高齢患者さんの生活の質(Quality of Life)を保つための医療を目指します
多くの疾患を抱え、複雑な治療状況にある高齢患者さんを多職種・多診療部門が連携して包括的・横断的に評価し、その結果を老年医学的な観点から患者さん(家族)および各担当医・医療職にフィードバックいたします。
高齢者医療センターは、2014年7月の新しい外来診療棟開院に合わせて運営を開始した新設部門です。院内紹介やスクリーニングにより対象患者さんを受け付け多職種による包括的評価として老年病専門医、看護師、薬剤師、理学療法士、ソーシャルワーカーがまず一次対応を行い、問題点を整理して必要な各診療科・部門に二次評価を依頼します。多職種カンファレンスを経て評価結果や対応策をまとめ、可能な介入を行うと共にその結果を患者さんや家族にフィードバックします。さらにその内容を各科担当医や多職種間で情報が共有・活用されるように周知いたします。
対象疾患
65歳以上の高齢患者さんを対象とし、特に下記の分野について多職種で評価しその解決を図ります。
- 高齢者特有の認知機能や身体機能の低下により生じる虚弱な状態(フレイル)の診断およびその予防
- 加齢による骨格筋量の減少(サルコペニア)の診断およびその対策
- 複数の医療機関や診療科を受診することで必要以上にたくさんの種類の薬を服用している状態(ポリファーマシー)の評価およびその状態の改善
- およびそれらが複合的に関わることで生じる高齢者特有の生活機能障害(老年症候群)の分析およびそのアドバイス
診療・研究内容

高齢患者さんにおいては複数の疾病、多くの薬剤使用、日常生活機能の低下、さらには在宅介護負担など、複雑な問題を有することが少なくありません。各専門科の併診からなる、いわゆる「臓器別」診療だけでは整理・対応が難しいこのような高齢患者さんに対して、当センターでは老年病専門医をはじめ看護師、薬剤師、理学療法士、ソーシャルワーカーなど各医療職種による多面的な評価と問題整理を行います。具体的には高齢者総合的機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)等により、高齢患者さんの認知機能、生活機能障害(老年症候群)、精神および社会状況などを併存疾患とともに包括的に評価し、そこで抽出された問題点に対してさらに必要に応じて協力診療科・部門による二次評価・対応をマネージメントします。
その後、当センターでの多職種カンファレンスで評価結果や対応策を協議し可能な介入を行うと共に、これらの情報を各担当(併診)診療科や関係医療職の間で共有し、当該患者さんの継続的な多職種連携診療に活用できるように各職種のアセスメントシートを用いてフィードバックします。このような取り組みにより、高齢患者さんが複数疾患を抱えながらも生活機能をできるだけ維持し、よりよい生活(Quality of Life)を実現できる医療を目指しています。
さらに現在、当センターは千葉大学病院に入院中の高齢患者さんを対象としたポリファーマシー・フレイル回診を行っています。これは入院している高齢患者さんの中で、計5薬剤以上の多剤処方(=ポリファーマシー)の有無や高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬剤使用の有無、さらに身体機能が低下している(=フレイル)状態にある方の有無を調べ、病棟スタッフとその問題点を相談し共有することで、よりよい診療に結びつけようとするための活動です。この活動を通して、入院している高齢患者さんのより安全な医療の提供を目指しています。
実績(クリニカルインディケーター)
高齢者医療センター(クリニカルインディケーター)(PDF形式、876KB)
外来診療のご案内
- 当センターは高齢患者さんの診断の確定ではなく、状態の評価および日々の生活上のアドバイスを目的とした外来です。
- 外来には計2・3回通院していただきます。原則としてその後の継続通院による診療は行っておりません。
- 当センターは紹介・予約制となっております。
- 外来日は毎週火曜日の午後となります。
- 当センター受診をご希望の場合には、かかりつけの医師にご相談の上、紹介状をご持参下さい。
当センター受診希望の患者さんは「高齢者医療センターご案内」チラシもご参照ください。
高齢者医療センターご案内チラシ(PDF形式、881KB)
- 外来駐車場が大変混雑いたしますので、車での来院はご遠慮ください。
お問い合わせ |
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スタッフ一覧
氏名 | 役職・職位 | 専門分野 | 認定医・専門医等 |
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鈴木 拓児 | センター⻑、教授(呼吸器内科兼任) | 呼吸器内科一般、間質性肺疾患、呼吸器免疫学 |
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 臨床研修指導医 |
前澤 善朗 | 副センター長、講師(糖尿病・代謝・内分泌内科兼任) | 糖尿病、脂質異常症・動脈硬化症、老年医学、早老症 | 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医 日本老年医学会老年科専門医 |
石川 崇広 | 特任准教授(総合医科学講座) | 糖尿病、脂質異常症、動脈硬化症、老年医学、早老症 | 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本糖尿病学会糖尿病専門医・研修指導医 日本老年医学会老年科専門医・指導医 内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医 |
木下 大輔 | 特任助教(総合医科学講座) | 代謝・内分泌内科、老年医学、早老症 | 日本内科学会認定内科医 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医 日本老年医学会老年科専門医・指導医 |
山﨑 友宏 | 看護師(看護部) | 老人看護 | 老人看護専門看護師 |
新井 さやか | 薬剤師(薬剤部兼任) | 老年薬学認定薬剤師 | |
森田 光生 | 作業療法士、リハビリテーション部療法士長(リハビリテーション部兼任) | 日本骨粗鬆症学会認定骨粗鬆症マネージャー 回復期リハビリテーション病棟協会認定回復期セラピストマネジャー |
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今井 正太郎 | 理学療法士(リハビリテーション部兼任) | ||
山﨑 秀平 | 理学療法⼠(リハビリテーション部兼任) | ||
江島 咲紀 | 医療ソーシャルワーカー(患者支援部) |
関連スタッフ
氏名 | 役職・職位 | 専門分野 | 認定医・専門医等 |
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高林 克日己 | グランドフェロー | リウマチ学、高齢社会医学 | 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本リウマチ学会リウマチ指導医 日本リウマチ財団リウマチ財団登録医 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医 |