診療科・部門
内視鏡センター
診療体制
先端的な内視鏡診断・治療を安全に最も留意して行います
内視鏡センターには、3つのレントゲン透視室を含む計10室の内視鏡検査室があり、上部、下部の消化管内視鏡、胆膵のERCPや超音波内視鏡、気管支内視鏡などを積極的に行っています。
当センターでは、消化器内科、胃食道外科、呼吸器内科、呼吸器外科に所属する各領域の専門医が、最新機器を用いたハイレベルな検査、治療に取り組んでいます。さらに、看護師や技師にもスペシャリストが揃い、患者さんにより安全、快適に検査を受けていただくために日々努力しています。感染対策にも万全の注意を払っており、とくに近年問題となっている新型コロナウイルスへの対策も十分に行っています。
内視鏡は、総合的な診療の中の一つの検査です。検査の必要性は各診療科の担当医師が判断していますので、検査ご希望の方は、上記の各診療科医師にお尋ねください。
主な対象疾患と診療・研究内容
消化管内視鏡領域
消化管領域では、⾷道・胃・⼗⼆指腸・⼤腸の腫瘍性疾患や炎症性疾患の診断・治療を⾏っております。
通常の上・下部内視鏡検査に加え、⼩腸内視鏡、カプセル内視鏡等の深部内視鏡も積極的に⾏っております。また、内視鏡診断の分野では、メーカーと共同して、特殊光内視鏡の開発にも携わっております。さらに、超⾳波内視鏡、拡⼤内視鏡を⽤いた診断も得意とする分野です。がんに対する内視鏡下治療は、確かな技術を持つ各専⾨医が担当しております。近年増加傾向にある⾷道逆流症に対しては⾷道内圧が測定できる特殊装置を備え、適切な治療の選択を⾏っております。
分野 | 内容 |
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消化管がんの診断 | ⾷道がん、胃がん、⼤腸がんを⾊素や拡⼤内視鏡・分光内視鏡を⽤いるなどして微細に観察し、診断しております。近年では、内視鏡像から組織診断まで推定できるようになりました。これらは多くの症例観察の経験の積み重ねによるものです。 |
超音波内視鏡 | 細径超音波プローブ、リニア走査型、ラジアル走査型を部位、目的に応じ使い分け、がんの深達度やリンパ節転移の診断、粘膜下腫瘍の発生部位および質的診断などを行っています。また、超音波内視鏡下に消化管壁内外の組織採取も行っております。 |
早期消化管がんの治療 | 食道、胃、大腸の早期がんに対し、内視鏡的に病巣部を切除し組織診断ができる粘膜切除(ESD/EMR)を主として行っています。個々の患者さんの病態やQuality of Lifeを考慮し適切な治療法を選択しております。 |
消化管出血の診断と治療 | 近年増加している、憩室出血や小腸出血を含む消化管出血に対し、上下部内視鏡、ダブルバルーン内視鏡、カプセル内視鏡を用いて診断、止血、治療を行っています。 |
消化管狭窄の診断と治療 | がんによる狭窄あるいは良性の狭窄に対する治療を、病巣の形態により、⾼周波切開、ブジー法、レーザー照射、ステント挿⼊などで⾏っております。 |
食道運動異常の診断と治療 | 胃⾷道逆流症(GERD)をはじめ、⾷道運動機能異常に対して、内視鏡検査の他、⾷道内圧検査(HIGH RESOLUTION MANOMETRY)や24時間pHモニタリングを⽤いた診断、治療も⾏っております。さらに、新しい内視鏡手技である内視鏡的逆流防止粘膜切除術も積極的に行っています。 |
炎症性腸疾患の診断治療 | 潰瘍性⼤腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に対して、診断内視鏡はもちろんのこと、⼩腸内視鏡を⽤いたバルーン拡張術などの治療⼿技も含めて積極的に⾏っています。 |
その他 | 逆流性食道炎、胃十二指腸潰瘍などの良性疾患の診断と治療、大腸ポリープのポリペクトミーなど。 |
胆膵内視鏡領域
胆膵内視鏡領域では、十二指腸鏡や超音波内視鏡を活用して、胆道、膵臓、および十二指腸に関わる腫瘍性疾患や炎症性疾患の診断と治療を行っています。また、内視鏡診断の分野では、メーカーと共同で特殊内視鏡の開発に携わっています。
特に胆道鏡や膵管鏡を使用した胆道がんや膵がんの診断、胆石の内視鏡治療、悪性胆道狭窄に対する内視鏡的治療に長けています。内視鏡下治療は、胆道がんや膵がん、膵仮性嚢胞などの診療に豊富な経験を持つ各専門医が担当しています。
近年、胆膵癌においてゲノム診療の重要性が高まっています。当科では、確定診断のために内視鏡的に組織を採取し、その後ゲノム解析に基づく適切な治療選択を行っています。
私たちは患者の健康と安全を最優先に考え、最新の技術と確かな専門知識を活用して、最良の診断と治療を提供することに努めています。
分野 | 内容 |
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超音波内視鏡 | 私たちはラジアル走査型およびコンベックス走査型の超音波検査を、部位や目的に応じて使い分けています。これにより、腫瘍の存在や進展範囲、リンパ節の腫大を診断しています。また、超音波内視鏡ガイド下で腫瘤性病変やリンパ節の組織を採取し、確定診断を行っています。 |
胆道がん、膵がんの診断 | 胆管がんや胆嚢がんについては、主に十二指腸鏡を使用してアプローチし、画像や病理検査などを通じて診断を行っています。必要に応じて管腔内超音波や胆道鏡を活用して評価を補完しています。これにより、より正確な診断を得ることが可能です。一方、膵がんについては、主に超音波内視鏡を用いて詳細な観察を行い、超音波内視鏡ガイド下での組織採取によって診断を確定しています。また、得られた組織は標準治療後の治療方針決定のためにゲノム診断にも活用しています。 |
胆道狭窄の診断と治療 | 良性・悪性病変に起因する胆道狭窄に対し、十⼆指腸鏡や超⾳波内視鏡を⽤いて狭窄部の精密検査を⾏っています。胆道狭窄によって⽣じた胆汁うっ滞‧⻩疸に対してはプラスチックや金属製のステントを留置し胆汁流出を確保します。胆管開⼝部である十⼆指腸乳頭部を介したステント挿⼊と、経消化管的なステント挿⼊が可能であり、個々の患者さんの病態やQuality of Lifeを考慮し適切な治療法を選択しております。 |
十二指腸狭窄の診断と治療 | 良性または悪性病変に起因する胆道狭窄に対して、十二指腸鏡や超音波内視鏡を使用して狭窄部の精密検査を行っています。胆道狭窄によって生じた胆汁うっ滞や黄疸に対しては、プラスチックや金属製のステントを留置して胆汁の流出を確保します。ステント挿入は、主に十二指腸乳頭部を介した経消化管的な方法で行います。これにより、胆管開口部を通じてステントを挿入することが可能です。個々の患者の病態やQuality of Lifeを考慮し、最適な治療法を選択しています。 |
胆管結石の治療 | 胆管結石は胆管炎という重篤な感染症の原因となるため、内視鏡治療が必要です。通常の内視鏡治療では除去が困難な大きな胆石に対しては、胆道鏡下の電気水圧衝撃波結石破砕術による治療が選択されることがあります。これは胆石を破砕し、除去を容易にするための方法です。また、腸管再建手術を受けた患者さんに発生した胆管結石については、ダブルバルーン内視鏡を用いた結石除去を行っています。この方法では内視鏡を経由して胆管にアクセスし、結石を取り除くことが可能です。 |
慢性膵炎、膵石の治療 | 膵臓の慢性炎症によって生じた膵石は、膵炎の増悪の原因となる場合には治療が必要です。当センターでは、体外衝撃波結石破砕術と内視鏡的結石除去術を組み合わせた治療を行っています。これにより、膵石を効果的に破砕し、内視鏡を使用して石を除去します。また、慢性膵炎によって生じた膵管や胆管の狭窄については、主にプラスチック製のステントを用いたドレナージと拡張を行っています。ステントを挿入することで、膵液や胆汁の排出を確保し、狭窄部の拡張を促進します。 |
その他 | 原発性硬化性胆管炎や自己免疫性膵炎、膵・胆管合流異常などの良性疾患の診断と治療も専門としています。また、膵嚢胞性疾患の診断と治療、被包化膵壊死に対する超音波内視鏡下瘻孔形成術、超音波内視鏡下胆道ドレナージなど、超音波内視鏡によるインターベンションも積極的に行っています。 |
気管支鏡領域
主な対象疾患は、気管・気管支・肺・胸膜における腫瘍性疾患や炎症性疾患であり、気管支内視鏡および局所麻酔下胸腔鏡を用いて、診断・治療を行っています。
診断には、通常気管支鏡、超音波気管支内視鏡を中心として、放射線画像ナビゲーションや気管支超音波プローブといった開発技術を組み合わせ、診断率の向上に努めています。
治療には、気道狭窄(悪性・良性)に対する症状緩和を目的とした、レーザー照射、バルーン拡張術、ステント留置術などの内視鏡的治療を積極的に行っています。関東地区の呼吸器インターベンションセンターとしての役割を担っており、遠方からの紹介も受け入れることで、他院では対応困難な気道異物に対する異物除去など気管支鏡を用いた幅広い気道管理を行っています。
分野 | 内容 |
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肺病変の診断 | 肺がんをはじめとする肺腫瘍の診断について、放射線画像ナビゲーションや気管支超音波プローブなどを組み合わせた診断を行っています。肺がん治療に必要な遺伝子検査を行うための検体採取にも対応した診断を行っています。 また、間質性肺炎をはじめとするびまん性肺疾患や下気道感染症の診断について、気管支肺胞洗浄、肺生検などによる診断も行っています。さらなる診断率向上のためにクライオ生検も導入しています。 |
肺門・縦隔病変の診断 | 超音波気管支鏡を用いて、肺門・縦隔病変の質的診断を行っています。対象疾患は肺がんのリンパ節ステージングのほか、縦隔腫瘍やリンパ腫、サルコイドーシス、感染症など多岐にわたります。 |
胸膜病変の診断 | 局所麻酔下に胸腔鏡を用いて、胸膜病変の診断を行っています。原因不明の胸水貯留や胸膜肥厚を呈する患者さんを対象に、結核性胸膜炎、がん性胸膜炎、悪性胸膜中皮腫などを鑑別するために実施します。 |
気管・気管支病変に対する治療 | 気管・気管支に発生する様々な病変に対する気管支内腔治療(呼吸器インターベンション)を行っています。患者さんの病態に合わせて、軟性鏡と硬性鏡を選択して治療します。様々な治療デバイスを用いて気管・気管支腫瘍の切除、狭窄の解除、瘻孔の閉鎖および各種ステントの留置を行っています。気道内異物の除去は麻酔科・小児科・救急部と連携して、成人だけでなく乳幼児・小児にも対応しています。また難治性肺瘻に対する経気管支治療(EWS)も行っています。 |
外来診療のご案内
- 新患は消化器内科にて受付いたします。
- 再来にあたっては、診療時間の指定がありますのでご注意ください。
- 外来駐車場が大変混雑いたしますので、車での来院はご遠慮ください。
お問い合わせ |
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フロア案内(外来診療棟4階)
外来診療担当医一覧
再来
診察室 | 時間 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 時間 | 診察室 |
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午前 | 渡辺 良之 (消化管) |
午前 | ||||||
午後 | 午後 |
スタッフ一覧
医師名 | 役職・職位 | 専門分野 | 認定医・専門医等 |
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センター長、診療教授 | 消化器疾患 | 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本消化器病学会消化器病専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 |
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副センター長、講師 | 食道がん、胃がん、内視鏡診断と治療 | 日本外科学会認定登録医・外科専門医 日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
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助教 | 消化器内視鏡、内視鏡治療・処置 | 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本消化器病学会消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医 |
渡辺 良之 | 医員 | ||
石川 翼 | 医員 | ||
園田 美智子 | 医員 | ||
後藤 千尋 | 医員 | ||
髙橋 彩月 | 医員 | ||
小関 悠介 | 医員 | ||
小澁 雄史 | 医員 |