千葉大学病院 臨床試験部

モニタリング室 / 臨床試験部棟

モニタリングとは、「被験者の人権・安全・福祉が保護されていること」「治験がGCPおよび治験実施計画書に従い正しく実施されていること」、「症例報告書が原資料に照らして正確に記録されていること」を確認することです。

そして、このモニタリングを行う専門家が「モニター」です。

モニターは、臨床試験の品質を確保するために、倫理的、科学的な知識だけではなく臨床試験を行っているスタッフと良好な関係を維持するための、コミュニケーション、交渉等のスキルも併せて要求されます。

千葉大学病院臨床試験部では平成25年5月1日より、臨床試験の支援部門としてモニタリング室が設置され、AROが実施するすべての臨床試験のうち、GCPに準拠して行われる企業治験、医師主導治験の他、再生医療や先進医療に関する臨床試験のモニタリングを実施しています。最近では、医師主導治験においても、RBMに中央モニタリングを組み合わせた効率的なモニタリング手法を実施し、その成果を学会にて報告しています。

臨床試験を行う上で最も重要なことの一つである「被験者の組み入れ」が計画どおりにすべて完了できる様、地域ブロック型(大学病院臨床試験アライアンス等)、病院群型(ちば治験臨床試験ネットワーク等)および疾患群(川崎病、神経免疫疾患群等)の試験ネットワークを構築し、被験者登録が促進されるための取り組みを行っています。現在はこれをさらに発展させて、海外のAROとの連携を視野に入れた被験者登録も計画しています。

モニタリング室が行う教育研修活動

試験の品質向上のためには、モニターのスキル向上は重要です。

私たちは、Risk Based Monitoring(RBM)を実践するためのモニタリングスキル講習会(リンク)を以下のような内容で、年に1回開催しています。

  • 臨床検査値の読み方(Reversed-CPC)
  • 事例に基づくGCPの解釈
  • 豊富な臨床医(Faculty Leadership)による医学知識
  • 臨床カルテの読み方など

活動方針

新たに計画された臨床試験の内容に対して、モニタリング室ではプロジェクトチームの一員として「試験を実際に行うことができるのか」といった観点から検討を行います。

以下のプロセスを経て試験実施の可能性をPL部門と情報共有します。

  • 実施医療機関・治験責任医師の選定に係る調査
  • 治験責任医師との治験実施計画書の確認・合意
  • 治験依頼書、治験審査委員会の審議資料の作成、提出
  • 実施医療機関との治験契約手続き
  • 治験分医師、治験協力者等への治験内容の紹介

千葉大学臨床試験部のAROが計画した医師主導治験ならびに臨床試験において効果的なRBMや中央モニタリングが出来る様、効率的なモニタリング計画書を作成します。

進捗管理表に基づき、責任医師の協力も駆使したモニタリングを行います。試験開始前、実施中、終了時の施設情報はデータベースに保管し、新たなネットワークの構築に活用します。

臨床試験の終了にあたり、責任医師と協議の上、次試験の被験者登録のためのレジストリー構築を提案します。

アカデミアが企画する医師主導試験、製薬企業が希望する製造販売後臨床試験およびアカデミアが導出するシーズ開発、バイオベンチャー企業が有するシーズの早期探索臨床試験にも積極的に係わります。

写真:モニタリング室_集合写真
写真:モニタリング室_業務

スタッフ紹介

室長/特任教授
氏名:藤居 靖久
藤居 靖久
学位・資格
博士課程前期課程(工学修士)
入職年度・職務経験
製薬企業におけるモニタリング責任者、プロジェクト責任者を経て臨床開発業務部長を経験。
日本ACRPの副理事長として、日本ACRPの講師及び大学病院臨床試験アライアンス事業において、モニタリングスキル講習会を6年間企画し運営。最近ではCRA養成研修(初級編・上級編)を実施している。CRC医学英語講座を7年間担当しその成果物を「治験に役立つ医学英文事例集」として出版した。
千葉大学医学部付属病院臨床試験部には、2009年7月1日入職し(モニタリング室長・特任教授)現在に至る。
ひとこと
ワインの収集。とくにボルドー産の赤ワインや最近はトスカーナ産の白ワインもコレクションの対象に入れている。
週末は葉山の地で友人たちとテニスで汗を流しその後スパークリングワインを楽しむのが日課になっている。
好きな言葉は失敗してもあきらめない「捲土重来」。
室員(技術職員)
氏名:T.H.
学位・資格
修士(理学)
入職年度・職務経験
2016年7月CROより転職して入職。
入職後、2021年現在までに多施設共同医師主導試験6件、多施設共同臨床研究3件などのモニタリングやスタディーマネージャーを経験しており、I~III相の治験(医薬品、再生医療等製品、医療機器)に携わる。
ひとこと
臨床研究・治験に関する仕事は医師、CRCなど、様々な人とチームで実施する仕事なので、関わる人たちとの関係性を大切にしています。
自分一人では決して為し得ない事をやり遂げた達成感は何よりも代えがたいもので、とても魅力ある仕事ですので、興味を持っていただければ嬉しいです。
室員(技術職員)
氏名:E.I.
学位・資格
学士
入職年度・職務経験
2015年9月に中途入職。
多施設共同医師主導治験/臨床研究のモニタリングを担当しています。
ひとこと
趣味:フィットネス・野球観戦
複数の治験・医療機関を担当しているので、関わる治験スタッフはさまざまです。また、臨床試験部の他部門と連携してプロジェクトを進めるので、円滑にコミュニケーションをとることを心がけています。
室員(技術職員)
氏名:T.Y.
学位・資格
学士(獣医師)
入職年度・職務経験
小動物臨床の経験を経て、2018年1月に中途入職。
入職後、臨床研究/多施設共同医師主導治験のモニタリング業務を経験し、2020年~からはスタディマネージャーとして第Ⅰ相治験(再生医療等製品)にも携わる。
ひとこと
趣味:スカッシュ・料理・食べ歩き
前職の経験から、医薬品開発の重要性・必需性を痛感し、「臨床開発」に興味を持ったのがきっかけで、新しい領域で経験を積むこととになりました。
実際に患者さんにお会いできる機会はありませんが、自分が携わる仕事の先に、喜ぶ方が絶対にいる!と思いを馳せながら日々業務に携わっています。
多くの方と関わるお仕事なので、その方たちとの関係も大切にしながら過ごしています。
室員(技術職員)
氏名:Y.H.
学位・資格
修士
入職年度・職務経験
2017年4月入職。
OJT研修を経てモニタリング室配属。
主に医師主導治験のモニタリングを担当しています。
ひとこと
趣味:サッカー・将棋
患者さんによりよい医療を届けられるよう、日々の業務と向き合っています。
室員(技術職員)
氏名:A.T.
学位・資格
修士(薬科学)
入職年度・職務経験
2018年4月入職。2019年4月~モニタリング室配属
主に医師主導治験のモニタリングを担当
ひとこと
趣味:ミニチュア集め・手芸
学生時代に見たドラマの影響で、希少疾患の医薬品の開発に興味を持ち入職しました。休日にはドラマを見返し、初心を忘れないよう心掛けながら日々の業務に取り組んでいます。
室員(技術職員)
氏名:K.J.
学位・資格
修士(薬学)
入職年度・職務経験
2018年4月入職。2019年4月~モニタリング室配属
医師主導治験のモニタリングを担当しています。
ひとこと
趣味:フットサル・バスケ・サッカー観戦・ゲーム
新たな治療法を患者さまに届けることを目指し、チームにおける自分の役割を果たせるよう、日々の業務に取り組んでいます。
室員(技術職員)
氏名:T.N.
学位・資格
修士(医科学)
入職年度・職務経験
2020年4月入職。2021年4月~モニタリング室配属
ひとこと
趣味:バドミントン・フットサル・釣り・ドライブ
1年間のOJT研修を終えてモニタリング室配属となりました。アカデミアならではの難病・希少疾患に対する治療法の開発に少しでも貢献できるよう頑張ります。