千葉大学病院 臨床試験部

医師主導治験の支援実績

当院では企業から依頼を受けて実施される治験のほか、医師主導治験の実施にも精力的に取り組み、医師自ら臨床試験を行うことで次世代の医療創出を目指しています。

臨床試験部では、医師主導治験の実施に際し、プロトコル立案、PMDA相談、資金調達、試験品質管理のための支援体制構築、承認審査時の実地調査対応など科学が社会に還元されるまでの長期に渡って総合的にサポートを行っています。

具体的なサポート体制や支援例はこちら

これまでに支援した主な医師主導治験(WISDOM project)

WISDOM(Wing of Innovation and Science for the Development of new Medical care)
新規治療法開発のための医薬品・医療機器・再生医療等製品創造と科学の双翼プロジェクト

私たちは、研究者とAROが創成と科学の双翼を担い、新しい治療法の開発を行うために、すべての「英知: WISDOM」の結合を通してプロジェクトを遂行します。臨床研究の成果を社会へ還元することを目的とし、規制に対する十分な知識と連携体制及びglobal AROの一員とした資質を持つAROを整備し、ICH-GCPに基づく臨床試験を実行します。

iPS-NKT Trial

標準治療後又は標準治療の適応とならない再発・進行頭頸部がんを対象にiPS-NKT細胞の
安全性と有効性を検討する治験を行っています。
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2020.5 治験計画届を提出しました。

LCAT Trial

家族性LCAT欠損症を対象とした遺伝子治療/再生医療の治験を行っています。

2020.4 治験計画届を提出しました。

NFV Trial

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象としたネルフィナビルの治験を行いました。
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2022.3 治験終了届を提出しました。

DEPARTURE Trial

QST病院(旧 放射線医学総合研究所病院)との協力体制のもと、肝がんを対象としたデュルバルマブとトレメリムマブの治験を行っています。

2021.4 治験計画届を提出しました。

DECISION Trial

QST病院(旧 放射線医学総合研究所病院)との協力体制のもと、子宮頸癌を対象としたデュルバルマブと重粒子線治療を併用する治験を行いました。

2022.7 治験中止届を提出しました。

FELICIA Trial

子宮内膜異型増殖症・子宮体がんの子宮温存療法(妊孕性温存療法)に対し、メトホルミンの適応拡大をめざした医師主導治験を行っています。
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2019.5 治験計画届を提出しました。

HAMAMATSU ICG

続発性(二次性)リンパ浮腫に対するインドシアニングリーンの適応拡大を目指した治験を行いました。

2021.3 治験終了届を提出しました。
2021 Journal of Vascular Surgery: Venous and Lymphatic Disorders誌に論文が掲載されました。

ePICO Trial

網膜色素変性を対象とした経皮膚電気刺激療法による医師主導治験を行っています。
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2021.4 治験計画届を提出しました。

cPICO Trial

網膜中心動脈閉塞症を対象とした経皮膚電気刺激療法による医師主導治験を行いました。

2021.8 治験終了届を提出しました。

nPICO Trial

非動脈炎性虚血性視神経症を対象とした経皮膚電気刺激療法による医師主導治験を行いました。

2022.3 治験終了届を提出しました。

JPOST Trial(Japanese POEMS Syndorome with Thalidomide Trial)

クロウ・フカセ(POEMS)症候群に、骨髄腫治療薬サリドマイドの適応を拡大するための世界で初めての治験を行いました。

2021.2 サリドマイドについてPOEMS症候群の効能追加の承認を取得しました。

KAICA Trial(Kawasaki disease study to assess the efficacy of Immunoglobulin plus CsA)

重症川崎病患児を対象に、免疫グロブリンと免疫グロブリン+シクロスポリンA併用療法が、標準的治療法IVIGより冠動脈病変合併症抑制効果が優れていることを検証する治験を行いました。

2019 The Lancet誌に論文が掲載されました。
2020.2 シクロスポリンについて川崎病の急性期の効能追加の承認を取得しました。

G-SPIRIT(G-CSF-mediated SPInal cord injury Recoverry Induction Trial

急性期脊髄損傷患者の麻痺改善を目的とするG-CFS(顆粒球コロニー刺激因子)神経保護療法を検証する治験を行いました。

2021 BRAIN誌に論文が掲載されました。

JET-GBS(Japanese Eclizumab Trial for GBS)

ギラン・バレー症候群(GBS)の急性期独歩不能な症例で末梢神経障害への不可逆的なダメージを抗補体モノクローナル抗体により抑制することを目的とする治験を行いました。

2018 The Lancet Neurology誌に論文が掲載されました。

医師主導治験の支援実績

下記グラフは臨床試験部が支援し、開始(治験計画届出)された医師主導治験の件数の推移を示しています。2016年度に臨床研究中核病院に指定されて以降、件数は増加し現在に至っています。

医師主導治験支援実績(2022年9月1日現在)

下表は、各年度に開始された医師主導治験の件数を医薬品、医療機器、再生医療等製品それぞれに分けて示しています。臨床試験部では、医薬品のみならず、医療機器や再生医療等製品の支援にも注力しています。

実績内訳(対象物別)(2022年9月1日現在)

開始年度 医薬品 医療機器 再生医療等製品 合計件数
2010

1

0

0

1

2011

0

0

0

0

2012

1

0

0

1

2013

0

0

0

0

2014

1

0

0

1

2015

4

0

0

4

2016

0

0

0

0

2017

1

1

1

3

2018

1

2

0

3

2019

2

0

0

2

2020

1

0

2

3

2021

2

1

1

4

2022(予定)

3

1

0

4

下図は、2010年以降に開始された医師主導治験の件数を、疾患領域別に示しています。がんや神経・筋疾患、眼科領域では特に活発に医師主導治験が行われていることがわかります。

実績内訳(疾患別)(2022年9月1日現在)