TDM・製剤室

TDM業務

TDM(Therapeutic Drug Monitoring)とは、患者さんの薬物血中濃度を測定し、薬物動態解析、検査値、病態を加味して患者さん個々に適した薬物投与設計を行うことです。

当院では、主に薬剤部で薬物血中濃度を測定しており、解析結果は病棟薬剤師と共有しています。病棟薬剤師は、患者さんのところに伺うなどしてさらに情報を収集した上で医師とディスカッションを行い、総合的な薬物治療計画を支援しています。

なお、薬剤部では、化学発光免疫測定法、電気化学発光免疫測定法、高速液体クロマトグラフィー法などの分析手法を用いて薬物血中濃度を測定しています。

薬剤部における測定薬物

神経系に作用する薬

カルバマゼピン、クロザピン、バルプロ酸、フェニトイン、フェノバルビタール、ラモトリギン、リチウム

循環器系に作用する薬

アミオダロン、ジゴキシン

病原微生物に対する薬

アミカシン、ゲンタマイシン、テイコプラニン、トブラマイシン、バンコマイシン、ボリコナゾール

免疫・アレルギーに
作用する薬

シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル

呼吸器系に作用する薬

テオフィリン

抗悪性腫瘍薬

イマチニブ、メトトレキサート

(2025年7月現在)

薬剤師による血液検体の前処理

薬剤師による血液検体の前処理

高速液体クロマトグラフィー法を用いた薬物血中濃度測定

高速液体クロマトグラフィー法を用いた
薬物血中濃度測定

解析ソフトを用いた薬物動態解析

解析ソフトを用いた薬物動態解析

院内製剤業務

一般的に、医薬品は薬機法による承認を取得して供給されます。院内製剤は、これらの医薬品のみでは治療や診断に十分対応できない場合に、薬剤師が調製する製剤です。

当院では、臨床倫理審査委員会において承認された院内製剤のみを使用することができます。

薬剤部では、日本薬局方製剤総則や日本病院薬剤師会の院内製剤に関する指針に基づき、より安全で有効な院内製剤を調製することを目標として、調製手順書の作成、品質評価、安全性評価などに取り組んでいます。

院内製剤(注射剤)の調製

院内製剤(注射剤)の調製

原材料の計量・鑑査

原材料の計量・鑑査

院内製剤(外用剤)の調製

院内製剤(外用剤)の調製