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麻酔科医の仕事

麻酔科医には無限の可能性があります

麻酔科を志望するかどうか悩んでいる方へ

“苦痛を和らげる”“いのちを守る”、これらは医療の原点ですが、これこそが私たち麻酔科医の仕事です。単に麻酔をかけることは、麻酔科医の仕事ではないと考えます。
『麻酔・疼痛・緩和医療科』が当科の正式名称ですが、これにはその意味も込められています。多くの外科医は麻酔をかけることくらいできると考え、実際“簡単に”麻酔をしています。
しかし、本当に患者さんの術前・術中・術後の苦痛を最小限にする麻酔管理が出来ているでしょうか? どんな重篤な合併症を持っていても、どんな危機的状況であっても“いのち”のサインを監視しそれを守れる全身管理の知識と技術を有しているでしょうか?
私たち麻酔科医であっても、苦痛の緩和と全身管理が十分出来ると自信をもって言える人はいないかもしれませんがそれを常に目指しているのが私たち麻酔科医の麻酔管理です。麻酔管理は確かに疾患の治療ではありませんが、患者さんの治療の選択肢を麻酔サイドの問題で狭めないように外科医の能力を最大限に発揮させることで、麻酔科医も最終的な治療結果に貢献しているのです。

このような麻酔科医の有する苦痛の緩和や全身管理の能力は、単に手術室内での麻酔管理ばかりでなく、さまざまな医療分野で発揮されています。
集中治療、救急医療、ペインクリニック、緩和医療、在宅医療などの分野で活躍している麻酔科医は多くいます。麻酔科で緩和医療と全身管理を学んだ後に、内科・外科など他科で活躍する医師も多くいます。さらに、臨床部門でありながら常に生理学的薬理学的知識を駆使して患者管理を行う麻酔科医の中には、基礎医学に興味を持ち、臨床的知識に裏打ちされた基礎医学研究者となる者もいます。
このように、麻酔科医には無限の可能性があります。麻酔科医として患者さんから実に多くを学び、身につけることが出来るでしょう。さあ、一緒に患者さんを診ましょう。