教育

ページタイトル画像

気道管理体制

2002年の日本麻酔科学会の調査では、麻酔そのもので周術期に死亡された患者さんの約 50%は、気道管理や換気管理に関連する問題が原因でした。
従って、手術を安全に受けていただくためには、周術期の適切な気道管理が重要です。このため近年この困難気道に対する様々な気道管理器具が次々と発明され、麻酔科医にはそれらの習熟が求められています。
当科でも、気管挿管の方法は喉頭鏡を用いることをルーチンにはせず、様々な気道管理器具に習熟できる機会を積極的に作っております。
臨床の現場では習熟の機会はないがいざという時には速やかに実行できなければならない輪状甲状間膜穿刺などはシミュレータによる実習を定期的に行っています。
さらに、私たちは、患者さんがより安全に手術を受けていただくためには、呼吸生理や上気道生理・解剖の知識に基づく周術期の一貫した気道管理体制こそ重要と考えています。図には当科で行っている周術期気道管理体制を示します。
術前の睡眠検査導入や周術期困難気道外来、独自の気道管理アルゴリズムと困難気道カートの整備、情報の患者さんへのフィードバックなど、世界の周術期気道管理研究を主導する当科だからこそ確立できた体制であると自負しています。従って、当科での麻酔研修では気道管理テクニックを習熟するばかりでなく『考える気道管理』を身に付けることができるでしょう。

参考文献

1) 西野卓編 周術期の呼吸管理 東京、克誠堂出版、2007年

2) Isono S. Obstructive sleep apnea of obese adults: pathophysiology and perioperative airway management. Anesthesiology. 2009; 110:908-21.