
看護師を目指したきっかけは、幼い頃から人を笑顔にすることが好きで、将来は人を笑わせられるような存在になりたいと思っていました。高校2年生の時、膝の上で愛犬を看取るという経験を通して、身近な存在の死を初めて直面し、その時に生きることの素晴らしさと、命の儚さを感じました。この経験から、人が生きていく過程を支える看護師という職業に魅力を感じ、目指すようになりました。
現在、新人看護師として精神科病棟に勤務しています。もともと精神科に対して興味はなく、むしろ怖いというイメージを持っていました。しかし、実習の時に指導教員から「看護師は患者さんの治療の一つの道具になれる」と聞き、自分のコミュニケーションが患者さんの病状に影響を与える精神科に興味を持つようになりました。また、実習を通して、精神疾患に対する偏見が多い世の中で、生きづらさを感じている患者さんと関わる機会があり、そのような状況を少しでも改善したいという思いから精神科を志すようになりました。精神科についてもっと学びたい思いから大学卒業後は大学院に進学し、大学院に在学しながら、地域の精神科病院で約2年間の臨床経験を積みました。現在は、その時の経験を活かし、わからないことは先輩に相談しながら、患者さん一人ひとりと深く関わる看護を心がけ勤務しています。
当病棟では、認知行動療法の一環として、看護師が主体となり、心理的リハビリテーションというプログラムを月曜日から木曜日まで午後に日替わりで実施しています。例えば、睡眠の取り方や双極性障害に関する知識を深めるプログラムであるCBTタイムや多職種が主催するかがやきの会などがあります。また夏祭りやクリスマス会などの季節行事もこの一環として行っており、閉鎖病棟で他科に比べて在院日数が長い患者さんにとって、季節やイベントを感じられる良い機会となっています。そのほかに平日の月曜日から金曜日まで朝9時頃から健康管理の一環として看護師長を主体にラジオ体操を行っており、患者さんの中で参加可能な方と一緒に医療スタッフも体操を行い、生活リズムの維持や身体活動の促進につなげています。
精神科ではコミュニケーションが特に重要であり、看護師自身が元気でなければ、十分な看護を提供することは難しいと考えています。そのため、まずは自分自身が笑顔でいることを心がけています。また、患者さんとのコミュニケーションを非常に重視しており、朝の受け持ち状況を確認したうえでスケジュールの調整をし、「話を聞いてほしい」と希望される患者さんには、できるだけ時間を確保するよう努めています。患者さんとコミュニケーションをとる機会が多く、患者さんの気持ちや不安、希望などを傾聴する際に、話をきいてもらえてよかったなどといってもらえるととてもやりがいを感じます。一方で、自分の言葉や関わり方が適切だったのか悩むことがあります。その都度、先輩に相談して改善に努めたり、時にはポジティブなフィードバックをいただくことがあります。また、患者から心ない言葉をかけられることもありますが、それを病気の症状の一部として捉えるようにしています。言葉の裏にある意図を考えたり、言語化が苦手な患者さんもいることを理解し、背景に目を向けながら対応するよう心がけています。
病院全体の研修制度に加え、病棟内でも手厚い指導やメンタルケアを受けられる温かい環境です。学ぶことは多く、覚えることも多いものの、その分できることが増え、やりがいも感じられるようになるため、非常に恵まれた環境だと感じています。