専門看護師による倫理コンサルテーションラウンド始めました

　2021年度から院内臨床倫理コンサルテーションチームが立ち上がり、当初、チームに直接依頼する職員は、医師からが77％、看護師は20％でした。看護師が抱えている倫理的課題をもっと気軽に相談できるルートがあればより活用しやすくなるのではないかと考え、院内のCNS （専門看護師）9名が3チームに分かれ全部署をラウンドすることにしました。月に1度、1時間のラウンドから始めています。

　例えばこんな事例の相談があります。「ご高齢、独居の入院患者さん、疎遠の娘さんはもうかかわりたくないと連絡も取りにくく、本人はもう長く生きなくてもいいと言ってます。できる治療はないわけでなく医師は治療をすすめてるんですよね…」意思決定についての葛藤です。みなさんはどう考えますか？他にどんな情報があるとよいでしょう？患者さんにとって何が優先されるべきでしょう？

　倫理的課題には「正解」はないと考えています。その時その場で悩むスタッフと一緒に悩み、混沌とした事態の情報を少し客観的に整理したり、真の課題は何かを再度考えるためにそれぞれ登場人物の価値観の確認を行ったり、看護師ができることに焦点化して一緒に検討すること、これらのプロセスにダイレクトにかかわれる手応えは感じておりラウンドするCNSも刺激をもらっています。院内全体で倫理的センスの向上を目指します！