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2019/12/20

外来でのカンファレンス

当院の外来は35診療科あり、それぞれの診療科でカンファレンスが行われています。これは大きく分けると、患者カンファレンスと業務カンファレンスがあります。ここでは前者について紹介します。

外来は、患者さんが暮らし活動している場の一部で有り、注意深く耳を傾けると、思いも寄らぬ問題を抱えていることに気づいたり、その方のライフヒストリーを伺うことができます。このとき、話を聴くだけでなく、得られた情報をどう活かしたら患者さんのためになるかを考え行動します。

その行動を決める手段の一つとして、患者カンファレンスが有用です。たとえば、毎朝、来院される患者さんの情報を診療科内で共有し、来院時、誰がどのような対応をするかを話し合っている診療科があります。退院後、初めて外来を受診するある患者さんは、退院の際に自己注射を覚えて帰りましたが、「空気を抜くのを忘れることもあった」との記録がありました。そこで、病棟で指導したセルフケアが適切に行えているのか、困ったことはないかなど、どのタイミングで、誰が、どこで確認するのかを話し合います。

また、患者支援センターの看護師・ソーシャルワーカー、臨床心理士、通院治療室や放射線部の看護師、がん看護専門看護師等、必要に応じて他職種、他部署とのカンファレンスも行っています。認知症の男性が一人で通院していますが、病院に着くと待合室に座ったままで院内の必要な場所へ行くことは難しく、内服管理も出来ていない様子で、心不全の悪化がありました。そこで、外来看護師は、患者支援センター看護師とのカンファレンスで情報を共有し、心不全の改善やQOLの向上のために円滑な受診方法、食事や内服管理、ご家族と医療者間の情報共有について検討しました。自宅での支援というと「介護保険」と思いがちですが、患者支援センター看護師からは、現状にあった支援者は、まずは身近なご家族ではないかとの意見があり、果たしてどの程度、どんな支援が出来るのかを検討することになりました。そして、認知症であっても、ご本人の思いを尊重することが大事であると確認し合いました。

このように、 患者さんと一時しか関われない外来看護師だからこそ、会う一時のための準備を行い、患者さんが帰られた後も看護(ケア)が途切れないよう関係者との連携を大切にしています。

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