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核医学検査

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放射性同位元素のことを、RI:Radio Isotope(ラジオアイソトープ)と呼びます。検査に使う薬のことで、体内の特定の部位に集まり、そこから出てくる放射線を装置で撮像し診断する検査です。薬に含まれている放射線は、半減期(放射線の量が半分になる時間)が短いため、放射線障害を起こすことはありません。


頭部検査

ドパミントランスポータシンチグラフィ(123I-FP-CIT)


心筋血流シンチグラフィ

心臓の核医学検査では、主に心筋の血流状態を見る心筋血流シンチが行われます。この検査は、運動(エルゴメーター:自転車)や薬剤(血管拡張剤:アデノシン、ジピリダモール)を用いて心臓に負荷をかけます。負荷試験の最中に、薬を注射します。注射して45分後に撮影を行います。検査時間はそれぞれ30分程度です。その他、心臓の検査には、心筋エネルギー代謝、交感神経分布を調べる検査などがありますが、注射をして、その後カメラの下で動かないように寝ているだけで検査は終了します。


骨シンチグラフィ

 全身の骨の状態を見る検査です。この検査は、午前中に検査用の薬を注射します。撮像は午後行います。撮像時間は約30分です。使用する薬は、主に尿中に排泄されるため、尿がたまっていると膀胱周辺の骨の情報がわかりにくくなります。そのため、撮影直前にお手洗いに行っていただきます。


肺血流シンチグラフィ


センチネルリンパ節シンチグラフィ

PETーCT検査

 

※問診や着替えなどで時間が必要なため、予約時間の20分前には受付にお越しください

 検査当日は、検査前最低でも6時間は絶食していただきます。これは組織のブドウ糖の代謝状態を正しくとらえるためです。水や緑茶などは飲んでかまいませんが、ジュースやアメ・ガムなど糖分を含む飲食はすべて禁止です。18F-FDG静脈注射した後は、待機室で1時間安静にしていただきます。その間、体を動かすと使った筋肉に薬が集まってしまうので、静かに過ごしてください。余分な薬は尿に排出されるので、撮影の前に排尿していただきます。

 検査は、ベッドに仰向けになっていただき、そのままベッドごとドーナツ状の撮影装置の中を通過しながら全身の撮影を行います。20分程度で撮影は終わります。

※食事制限を守らないと、検査薬が全身の筋肉に集積してしまい、診断に影響を与える可能性があります。

※検査前に激しい運動をしてしまうと、検査薬が筋肉に過剰に集積してしまい、診断に影響を与える可能性があります。


本院のPET-CT検査により得られた生体情報の例

1.悪性リンパ腫

悪性リンパ腫患者のPET像(左),PET横断像(右上),PETとCTの融合像(右下)

 PETとCTの融合像を用いることによってより正確な病変の位置情報が得られます。PET-CTにより一度の検査で、この融合画像を取得できます。

2.肺がん

肺がん患者のPETとCTの融合画像(左:呼吸同期なし,右:呼吸同期あり,矢印:病変)

 呼吸の動きに影響を受けやすい部位に病変が存在する時は、呼吸同期法を用いることでより正確な病変の位置・形状・大きさなどの情報を得られる場合があります。


18F-FDGの製造と投与

 本院では、PET検査で使われる18F-FDGを病院内にある専用の施設で製造します。まず、サイクロトロンと呼ばれる装置の運転、合成装置の準備が始まります。次に、サイクロトロンで30分間照射を行い18Fという放射性核種つくります。これを自動合成装置に輸送し、ブドウ糖に似た組成の18F-FDGという薬剤に合成します。無菌・純度試験を経て、合成された直後の18F-FDGは、そのままでは大変高い放射能を有しています。そのため、患者様の体重に合わせた適切な放射能量になるように自動に分注を行う装置を介して、点滴から肘の静脈へ薬剤の投与を行います。

本院と同じタイプの自動分注投与装置

 自動分注投与装置は正確な分注投与作業と、従事者の作業軽減、被曝低減のために使用されるもので、FDG原液情報(放射能量・容量・検定時刻)と投与条件(投与放射能量・容量・投与時刻)を入力することで、原液から指定量を連続的に分注し、投与する装置です。分注液は装置内検出器で計測され、放射能量が表示されるため放射能量を確認して自動投与ができます。