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MRI

MRIとは、「Magnetic Resonance Imaging」の略称であり、日本語で「磁気共鳴画像」です。MRI検査は強力な磁石と電磁波を利用し、人体の断面を様々な角度で写すことが可能です。当院では、3T装置2台、1.5T装置3台が稼働しており、常に先進の技術が導入されています。また、検査室には診療放射線技師以外に、画像診断を専門とする医師、看護師、および事務員が常駐しており、安全かつ質の高い医療提供が出来る体制となっています。


当院の特徴 患者さんに優しい先進の検査環境

MRI検査は、大きな騒音が鳴り響く中、狭い装置内で長時間動かない状態を維持しなければなりません。このような検査環境は、多くの患者さんに不安や緊張を与えてきました。そこで、当院では、患者さんがリラックスした状態でMRI検査を受けられる環境を目指し、検査室内環境システムを導入しています。

検査室内環境システムにより、検査室の天井と壁面を特殊な照明で彩り、部屋全体の色調を変化させることが可能です。さらに、森林などの風景やかわいいアニメーションが壁面に投影され、情景にあった音楽が流れています。検査室の扉をあけた瞬間、別世界に飛び込んだような気分になり、リラックスしてMRI検査を受けていただけます。

 

 

 一部の検査では難しいのですが、映像を見ながら行うこともできます。映像はいくつか用意していますので、患者さんに合わせて選択することができます。ご要望がありましたら、検査直前に技師へお声かけください。


MRI検査の流れ

  1. 検査前

  2. 来院

  3. 受付

  4. 検査準備
  5. 入室
  6. 検査


MRI検査の注意事項

MRI検査は強力な磁石と電磁波を使用します。金属製または磁気に敏感な物品を身につけたままMRI検査を受けてしまうと、吸着や破損事故や熱傷につながり大変危険です。

 

入室前に取り外して頂くもの

 

医療機器を体内に埋め込んだ方は、その機器がMRI検査に対応しているかを確認できないと、検査を受けられません。該当する方は、担当医へご相談下さい。

 

以下に該当する方は、検査を受けることができません

 

以下に該当する方は、検査を受けることができない可能性があります


Q&A

Q MRI対応のペースメーカーは検査しても大丈夫?

A

当院は、日本医学放射線学会、日本磁気共鳴医学会、日本不整脈学会が定める「MRI対応植込み型不整脈治療デバイス患者のMRI検査の施設基準」を満たす施設であり、一定の条件のもと全身MRI検査が可能です。検査に関わる医師・診療放射線技師・臨床工学技士は所定の研修を終了しています。検査中は、パルスオキシメーターあるいは心電図モニターを用いて患者さんの状態を常に監視し、不測な事態に備え循環器内科医師は必ず検査に立ち会っています。

安全に検査を行えるよう患者さんは、必ず「条件付きMRI対応カード」と「ペースメーカー手帳」をご持参ください。

 

Q 狭いところが苦手(閉所恐怖症)だけど大丈夫?

A

当院では、検査室内環境システムを導入しています。閉塞感をできるだけ感じないように、検査中も映像が見ることができます。これまでMRI検査を行うことができなかった閉所恐怖症の患者さんでも、鎮静剤を使うことなく検査を終えることができました。また、「映像を見ながら検査をすると、すぐ検査が終わるね」や「リラックスして検査ができました」など患者さんからの意見もあります。また、検査中の映像には、検査の進行状況を把握することができ、終了時間の目安にすることができます。息止めの合図や時間も視覚的に表示されるため、患者さんは「息を止めるのが簡単になった」と好評です。

 

Q 小児の検査はどのようにするの?

A

MRIは、検査中に動いてしまうと診断に役立つ画像を撮影することができません。また、検査中にはガーガーと大きな音が鳴り響き、長時間じっとすることができないお子さんには、鎮静剤というお薬を使い深く眠った状態で検査を行うことがあります。

検査を怖がらず、動かないようにできるようであれば、鎮静することなく検査をすることができます。当院では、映像を見ながら検査を行うことができますので、一人でも多くのお子さんが鎮静剤を使うことなく検査を終えるよう配慮しています。小児科外来にはMRI装置を模擬した準備説明用の装置もあり、検査のシミュレーションを行うことができますので、担当医にご相談ください。ambient ex.png


MRI検査の内容

頭部領域

頭部MRIは脳の正常組織と病変部のコントラストを明瞭に描出できるため、疾患の有無を診断するのに有用です。また、 MR angiographyは造影剤を用いることなく脳血管を描出することができるため、血管の狭窄や動脈瘤の発見に役立ちます。


心臓

心臓MRIは、心臓の動きを動画(CINE画像)で撮像することができ、心機能の解析が可能です。STIR画像では心筋が炎症を起こしていないか、造影画像では、治療を行うことにより心臓が改善するかを評価します。


腹部領域

腹部MRI検査は、肝臓・胆のう・膵臓や副腎・腎臓などの腹部臓器の腫瘍などの疾患に行う検査です。肝臓EOB検査では、肝細胞に特異的に集まる造影剤を使用し、造影剤注入後、時間を分けて撮像することにより、肝臓の血流情報や肝細胞機能評価することができ、病変の検出および鑑別診断を行うことができます。MRCP検査は、胆のうや胆管・膵管に含まれる水分を強調して画像化することにより、胆管・膵管の拡張や狭窄や腫瘍などを診断することができます。

検査によっては、呼吸を止めて撮像する場合や呼吸に合わせて撮像する場合がありますので、検査担当技師の合図に従って下さい。


骨盤領域

婦人科領域である子宮や卵巣、泌尿器領域の前立腺、膀胱、精巣、消化管領域の直腸、肛門など幅広く撮像を行っています。また、妊娠中の患者さんを撮像することで、胎児の状態や胎盤の評価なども行うことができます。


四肢領域

四肢領域では主に関節部が多く、手関節・肘関節・肩関節・股関節・膝関節・足関節など目的に合わせて検査を行っています。X線検査やCT検査では評価の難しい軟骨、筋肉、腱、靭帯などの軟部組織も明瞭に描出が可能なため、関節痛や靭帯損傷、骨折などの診断に有用です。

小児領域

主に頭部や腹部の検査を行っており、生後まもない新生児から撮像することができます。特殊な検査としては、冠動脈撮像や全身DWIBS撮像があります。冠動脈撮像は、川崎病患者に対し造影剤を使用せずに冠動脈瘤の評価を行うことができます。全身DWIBS撮像は造影剤を使用することなく、全身の腫瘍の検索や治療効果の判定を行うことができます。