部門紹介

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部長挨拶

感染症の診療と感染症対策は、「人間らしい生活」のセイフティネットです

猪狩 英俊 部長

新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受けて、感染症の怖さと感染対策の重要性を認識したかたが多いと思います。

千葉大学医学部附属病院では、感染制御部・感染症内科が中心となり、病院内の多くの部門の支援のもと、新型コロナウイルス感染症の診療を行って参りました。特に、ECMO(人工心肺装置)、人工呼吸器などの集中治療を要する重症患者、透析・妊婦など特別な対応を求められる患者、を積極的に受け入れることで、千葉県内の医療機関からの信頼を獲得してきました。

感染制御とは、「院内感染対策」、「多剤耐性菌対策」、「抗菌薬の適正使用」を行うことが活動の根幹です。医師・看護師・薬剤師・検査技師・事務などの多職種から構成されチーム(ICT インフェクションコントロールチーム)が活動を支えます。それぞれの専門性を発揮して取り組んで参りました。医療安全の一翼であり、診療・教育(研修)・研究を通して、患者さんに安心・安全な療養環境を提供するための努力を続けています。こういった基礎体力がそなわっていたから、新型コロナウイルス感染症に対しても、初期の段階から積極的に取り組むことができました。

感染症の診療については、耐性菌などの難治性感染症の相談、HIV感染症の診療、深在性真菌症の診療、第二種感染症医療機関としての結核診療など感染症全般について診療を行っています。特筆するのは、千葉大学の真菌医学研究センターの臨床研究部門の亀井教授が参加する真菌症専門外来を開設していることです。

新型コロナウイルス感染症を契機に、私たちの衣食住は一変してしまいました。感染症の診療と感染対策は、「人間らしい生活」を送るためのセイフティネットであると思います。

私たちの部門に課せられた使命は、感染症の診療と感染対策を積極的に行うことです。こうした活動を通して、国民が生命の危機に晒されないようにすること、病院に入院しても安心して医療を受けられること、平穏な日常を送れるようにすることに努めて参りたいと思います。