認知症こども「力(ちから)」プロジェクト
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認知症こども力プロジェクトとは
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認知症の人の住みよい地域社会を目指して
日本における認知症の人の数は2025年には700万人にのぼると予測されており、将来認知症になっても安心して暮らせる地域コミュニティの生成が課題となっています。認知症高齢者は増加していく一方で専門家の数は少なく、認知症の人の支援を行政や介護福祉、医療機関に預けるだけではその支援は十分とはいえません。今後は、認知症の人の“生活の場”であるご家族の認知症の理解が何より重要となると考えられます。そこで千葉市認知症疾患医療センターでは2013年度より、将来の地域社会の重要な構成員である子ども達を対象とした認知症啓発活動「認知症こども力(ちから)プロジェクト」に取り組んでいます。
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子ども達への期待
“不安感”、“怒りっぽい”等、認知症の人の行動・心理症状は環境を調整し、周囲の人のかかわり方を工夫することで改善や予防が期待できるといわれています。「認知症こども力プロジェクト」では、一般的に高齢者の多くは子どもに対して寛容であることから、主介護者である配偶者や実の娘や息子の「子ども世代」だけではなく、学習機会に恵まれた学齢期にある孫・ひ孫といった「孫世代」にあたる子ども達への認知症教育を行っています。認知症を正しく理解することで、子ども達の認知症に対する不安感や恐怖感を取り除き、例え高齢者が認知症になっても、一人の尊厳ある人間として尊重し、人間らしい豊かなかかわりを保つことを目指しています。
また、子ども達が認知症を学習し、それを家族に伝えることで、主介護者である親世代の認知症介護力の向上や、認知症の人と介護者の関係性の向上、介護負担の軽減に繋がることにも期待できます。
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認知症キッズワークショップ
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当センターでは学齢期の子どもに対する認知症普及啓発活動を実施しております。主に小学校高学年から中学生を対象に、講義や施設見学、ポスター作製などを医師、看護師、保健師、臨床心理士、精神保健福祉士等が千葉市と共同で実施しております。
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教員のための認知症ワークショップ
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認知症という疾患が高齢者だけのものではなく、若い人もなりうる病気であるとの認識も社会に広まりつつあり、まだ学校に通う子ども達の祖父母やご両親が認知症になるということも考えられます。認知症は病気を患ったご本人だけでなく、ご家族の生活にも大きな変化をもたらします。子ども達はご家族の病気による変化を受け入れられるでしょうか。わたしたち大人は子ども達にどんな言葉をかけられるでしょうか。
我々医療従事者だけでなく、子ども達にとって身近な存在であり、日頃から子ども達の教育者として関わっている学校の先生方と一緒に認知症教育について考えていきたいと考えています。
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こども力プロジェクト リーフレット
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ワークショップにご参加いただいた先生の意見をもとに当センタースタッフで作成したこども向け認知症クイズです。
ご家庭や学校など様々な学習場面で自由にダウンロードして、クイズ形式で認知症について学んでいただけます。
(小学校低学年向けと高学年向けの2種類あるので、使用するこども達の理解度に合わせてご使用下さい。
認知症クイズ問題編(高学年用)
掲載日:2017.11.23 用紙サイズ:A4 4P(W21cm×H29.4cm) DLファイル種類:PDF DLデータサイズ:1.3 MB
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認知症クイズ解答編(高学年) 掲載日:2017.11.23 用紙サイズ:A4 4P(W21cm×H29.4cm) DLファイル種類:PDF DLデータサイズ:1.8 MB
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認知症クイズ問題編(低学年用) 掲載日:2017.11.23 用紙サイズ:A4 2P(W21cm×H29.4cm) DLファイル種類:PDF DLデータサイズ:506 kb
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認知症クイズ解答編(低学年用) 掲載日:2017.11.23 用紙サイズ:A4 2P(W21cm×H29.4cm) DLファイル種類:PDF DLデータサイズ:1.2 MB
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教員のための認知症ワークショップ カリキュラム
2016年8月24日に開催した<教員のための認知症ワークショップ>にご参加いただいた先生方がグループワークで作成した授業カリキュラムです。小学校低学年、中学年、高学年のこども達に認知症を教えることを想定して作られています。
ご自由にダウンロードしてご活用ください。
掲載日:2017.11.23 用紙サイズ:A4 3P(W21cm×H29.4cm) DLファイル種類:PDF DLデータサイズ:3.6 MB
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過去開催イベントの記録
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2015年 認知症キッズワークショップ
2015年に策定された新オレンジプランでは学校における認知症の人を含む高齢者への理解を深めるような教育の促進が掲げられていますが、子ども達が見て分かりやすい認知症学習に適した教材は現状多くはありません。
そこで、当センターでは子ども用認知症学習教材(子ども向け認知症パンフレット)の作成を目的に4日間に渡るワークショップを開催しました。認知症の講義だけでなく、実際にグループホームを訪問して認知症の人と生活を共同する機会も設け、参加した子ども達からも好評の声をいただきました。
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認知症キッズワークショップ
日時:7月29日、8月1日、8月5日、8月8日
主催:千葉市認知症疾患医療センター
共催:千葉市 千葉大学 千葉市社会福祉協議会 ボランティアセンター
協力:社会福祉法人友和会 ピアポート千壽苑 社会福祉法人三育ライフ シャローム若葉
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1日目:7月29日『イラスト教室と施設訪問時のうちわ作り』
最終日に作成する子ども向け認知症パンフレット作成に向けて、絵の先生をお招きし、イラストの描き方を学びました。午後には3日目のグループホーム訪問時に入居している高齢者の皆様へお土産のうちわを手作りしました。
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2日目:8月1日『認知症講義』
千葉市で働いている保険・医療・福祉職の紹介や、千葉市認知症疾患医療センターの医師・心理士から認知症の病気について、上手な人間関係の築き方について授業を行いました。講義以外にもクイズ大会や劇を通して、具体的なかかわりについて学びました。
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3日目:8月5日『グループホーム訪問』
実際に認知症の人が生活している千葉市内2ヶ所のグループホームを訪問しました。ほとんどの子ども達が認知症の人とかかわるのは初めてでしたが、一緒に体操やお話しをして両者楽しそうに過ごしていました。
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4日目:8月8日『子ども向け認知症パンフレット作成』
これまで3日間の体験で学んだ事を総括してパンフレット作成を行いました。子ども達だけで1人1ページを担当して作成したパンフレットは、工夫が施されており、誰が見ても分かりやすい内容になっています。
後日、製本化した物をダウンロードしてお使い頂けますので、是非子ども達の認知症学習の第一歩としてご活用下さい。
リーフレットを見る→
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2015年7月29日〜8月8日 認知症キッズワークショップ 開催
2013年3月23日 地域医療ワークショップ こども「力(ちから)」プロジェクト〜親子で知ろう認知症〜 開催
2013年3月15日 認知症こども力プロジェクトキックオフフォーラム 開催
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