センター紹介
当センターは、2019年10月に千葉県の委託を受け、千葉大学病院の患者支援部内に設置されました。
移行期医療支援センターに求められる機能と役割
- 小児慢性特定疾病や指定難病の患者さんが成人後も適切な医療を受けられるよう対応可能な医療機関の情報を把握し、情報提供を行います
- 小児期医療から成人期医療に至るまでの移行を近隣の医療機関と連携、連絡調整し、支援を行います
- 学業・就労との両立など患者さんの自律(自立)を円滑に進めるための必要な支援を行います
- 移行医療を進めるための研修会を開催します
小児医療機関と成人医療機関が連携、
それらを当センターがサポートします!
移行パターンは多数あり!患者さんに合わせて進めます
いろんな役割をもった専門スタッフが
協力し合い、移行期医療をサポート
センター長
桑原 聡
Satoshi Kuwabara

「移行期医療」とは小児期に発症した病気を持った方が成人年齢に達した際に、年齢に見合った適正な医療を受けられるべく成人診療科での診療へと移行できるようにすることです。小児科領域の医療・医学の進歩によって、幼いうちに病気を発症する子への治療の成績が著しく向上し、成人に達する割合が大きく増えてきました。その中には、健常者と同じように社会生活を送れる方もいれば、医療機関で長く療養を求められる方などさまざまです。病気を克服しながらあるいは向き合いながら成長する子どもたちにより豊かな人生を送ってくれることが、本人、家族、そして社会にとって重要なことです。 また成人年齢に達すると小児期にはほとんど見られない生活習慣病などを合併してくる場合もあり、その際には成人病の専門家による新たな診療が必要になる場合があります。さらに成人期においては中高年に起こってくる病気の予防も必要となります。
成人して社会の一員となるために教育が必要なように、病気を克服しながら成長して社会との関わりを持っていくためには、本人と家族が十分に病気を理解し、成人期に達した後も、どのように病気と向き合っていくかを知っていただく必要があります。患者本人が病気の理解を深めるために学ぶ機会が必要です。我が国においては、移行期医療を必要とする患者数が一気に増加したこともあり、これらの教育と支援、そして移行するにあたり医療と福祉に関する情報を整理して提供し、成人診療科と小児診療科が連携する体制が追いついていないのが現状であり、そのために国が各都道府県に移行期医療支援センターを設置するように要請しました。
センターの設置は、まだ全国で始まったばかりで、千葉県においては2019年10月1日に千葉県移行期医療支援センターが千葉大学医学部附属病院内に設置されました。医療を必要とする子どもたちが、自立・自律した成人として適正な医療を受け、よりよい人生を送れるように移行期医療の体制を構築するべくスタッフ一同努力してまいります。
スタッフ紹介

濱田 洋通
医師 副センター長

日野 もえ子
医師
医師
加藤 順
医師
佐々木 剛
医師
武之内 史子
医師
杉浦 寿彦
医師
金子 明夏
医師
薬剤師
萩原 眞由美
看護師
大野 朋加
看護師
渡邉 朋
看護師
湯口 梓
看護師
馬場 由美子
看護師
看護師
市原 章子
ソーシャルワーカー
横内 宣敬
ソーシャルワーカー
江島 咲紀
ソーシャルワーカー
尾形 穂乃香
ソーシャルワーカー
山本 さおり
事務
研究・論文・雑誌
- 桑原聡, 千葉県移行期医療支援センターにおける取り組み=BRAIN and NERVE 74巻6号 (2022年6月発行)
- 日野もえ子,千葉大学医学部附属病院における支援の実際小児科臨床 = Japanese journal of pediatrics 74 (6), 745-750, 2021-06
- 日野もえ子, 臨床現場から考えよう,移行期支援の医療体制 主要施設 千葉大学医学部附属病院 小児科医師=小児科診療 85巻 14号 pp. 67-71(2022年10月)
- 横内宣敬,臨床現場から考えよう,移行期支援の医療体制 主要施設 千葉大学医学部附属病院 ソーシャルワーカー 千葉県における移行期医療支援センターとソーシャルワーカーの役割=小児科診療85巻14号 特集 今考える,移行期医療
調査報告
令和4年度 難病等制度推進事業 移行期医療支援体制実態調査 事業報告書
厚生労働省は、「都道府県における小児慢性特定疾病の患者に対する移行期医療支援体制の構築に係るガイド」を策定し、移行期医療支援センターの設置を都道府県に対して促しているが、ガイド策定から5年超が経過した令和5年3月現在においても全国7か所の設置に留まっており、その業務内容や運営実態の詳細も明らかになっていなかった。 移行期医療支援センター及び移行期医療支援センターが設置している運営協議会等に参加している医療機関宛に、質問紙による実態把握調査を行った。
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特に移行期医療の提供が難しいと考えられている神経筋疾患群において、小児期診療科と成人期診療科に対し 同時期に同様の調査を行うことで、神経筋疾患群の移行期医療提供における神経筋疾患群の移行期医療提供における移行期の現状を分析し、問題点を明らかにする。
(アンケート期間:2020年11月1日~11月27日) -
成人年齢に達した小児期慢性疾患患者の増加に関連して移行期医療提供の必要性が増しているが,実態は明らかとなっていない。千葉県における移行期医療提供の実態について明らかにする。
(アンケート期間:2018年11月28日~12月21日)
研修会の報告

日時:2024年2月16日(金) 13:30~15:30
開催方法:対面とZOOMのハイブリッド開催
場所:千葉大学医学系総合研究棟 第3講義室
対象:
移行期の患者支援に携わる医療、福祉の支援者
☆移行期医療支援に関心のある専門職・支援者
☆障害福祉分野での支援者
内容:
〇講演「こどもの自灯明のために -支援者のこころと、こどものこころ-」
千葉大学医学部付属病院 こどものこころ診療部 佐々木剛

日時:2023年2月21日(火) 13:30~15:30
開催方法:ZOOMによるオンライン開催
対象:
移行期の患者支援に携わる医療、福祉の支援者
☆在宅診療医 ☆重症心身障害児を診療している小児科医
☆移行期医療支援に関心のある専門職・支援者 ☆障害福祉分野での支援者
内容:
〇講演「医療的ケアの必要な(重症心身)障害児者等の移行期支援における多職種連携」
千葉大学病院移行期医療支援センター副センター長 濱田洋通
〇講演「在宅医からみた移行期支援」
あおぞら診療所うえの 院長 戸谷剛氏
〇「医療的ケアの必要な重症心身障害児者等への移行期支援〜コメディカルからの実践報告〜」
⑴えるさぽ訪問看護ステーション所長 松尾智美氏
⑵訪問看護ステーションひとみ所長 小宮山日登美氏
⑶千葉市中央区障害者基幹相談支援センター相談支援専門員 伊藤佳世子氏
⑷子ども在宅クリニックあおぞら診療所せたがやソーシャルワーカー 池田有美氏

日時:2022年2月18日(金)13:30~15:30
開催方法:ZOOMによるオンライン開催
対象:
移行期医療支援に関心のある専門職・支援者の方
※医師・看護師・保健師・ソーシャルワーカーなどの専門職の方に向けた研修
内容:
〇講演「移行期医療におけるてんかん医療ネットワーク」
国立精神・神経医療研究センター てんかんセンター長 中川栄二先生
〇講演「千葉県のてんかん医療及び移行期医療の現状と課題について」
千葉県循環器センター 副看護局長 てんかんコーディネーター 清水千春氏
〇講演「神経筋疾患の移行期医療の実態調査」
千葉大学医学部附属病院 小児科 日野もえ子

日時:2021年2月12日(金)13:30~15:30
開催方法:ZOOMによるオンライン開催
対象:
移行期医療支援に関心のある専門職・支援者の方
※医師・看護師・保健師・ソーシャルワーカーなどの専門職の方
内容:
〇講演 「成人移行支援の現状と課題 - そしてこれから」
国立成育医療研究センターてんかんセンター長 窪田満先生
〇講演 「千葉県こども病院における成人移行支援の現状と課題」
千葉県こども病院 こども・家庭支援センター
成人移行支援担当 小児看護専門看護師 堂前由香氏
〇講演 「移行準備調査アンケート「TRAQ」から見えたこと」
千葉大学病院 小児科助教 日野もえ子

日時:2020年2月6日(木) 13:30~15:30
場所:千葉大学医学部附属病院 外来棟3階 セミナー室3
対象:
移行期医療支援に関心のある専門職・支援者
※医師・看護師・保健師・ソーシャルワーカーなど
内容:
〇講演 「成人移行期医療の現状と課題」
甲南女子大学 丸光惠先生
〇講演 「千葉県こども病院における移行期医療支援への取組み」
千葉県こども病院 堂前有香氏
〇講演 「千葉大学病院における移行期医療支援センター設置の取組み」
千葉大学医学部附属病院 日野もえ子