麻酔科の初期研修では、麻酔で意識のない、動けない患者さんのかわりとなって、手術中の安全を担い、手術に伴う苦痛を軽減することを、常に念頭に置いてください。
初期研修中は、気管挿管や静脈路確保などの手技をできたかできなかったかで、一喜一憂する毎日かもしれませんが、合併症が生じないような気配りや不安に対する配慮も、患者さんの苦痛を軽減することにつながります。そして、安全を担保するためには、他のスタッフとのコミュニケーションも大事です。そのような医師としての基本姿勢を身に付けることが研修の大きな目標となります。指導医のもとで麻酔管理を自ら担当し、全身管理を広く学んでいきましょう。
<研修の実際例>
手術室での麻酔研修
第1週目 指導医が担当する麻酔を見学あるいは介助し、麻酔に関する基礎を学びます。
第2週以降 指導医の下、麻酔を担当します。麻酔担当医として、麻酔計画の立案から麻酔・全身管理、術後回診までの周術期管理を一通りおこないます。合併症を有する患者さん[American Society of Anesthesiologists Physical Status (ASA-PS)2以上]の麻酔管理も担当します。麻酔方法だけではなく、手術進行に伴う呼吸・循環管理の調節も大事です。また、管理が適切であったか、麻酔終了後には指導医と症例を振り返り、問題点・改善点等を話し合いましょう。
将来麻酔科を検討している研修医は、研修状況に応じて小児麻酔や産科麻酔、呼吸器外科の麻酔、心臓血管麻酔などの特殊な麻酔管理に関わることもできます。
外来・病棟研修
希望があれば、ペインクリニック・緩和ケア外来の研修も可能です。ペインクリニック外来では慢性疼痛の治療について学び、緩和ケアでは精神神経科、リハビリテーション部、看護師、薬剤師、心理士などで構成される緩和ケアチームの回診に参加することが可能です。
【ご連絡】
千葉大学医学部附属病院 麻酔科医局
メール:麻酔科医局秘秘書 chibamasui_ikyoku(ここにアットマーク)yahoo.co.jp