診療内容

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対象とする疾患について

冠動脈疾患とは

 心臓の周りを流れる冠動脈は、心臓の筋肉(心筋)に酸素と栄養を送っています。 この冠動脈がせまくなったり詰まったりして、心筋に十分な酸素と栄養が届けられなくなる病気を総称して、冠動脈疾患(または虚血性心疾患)と呼んでいます。 その多くは高血圧や糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病を背景とする動脈硬化による血管の狭まりが原因のことが多いですが、 日本人では情動ストレスなどで冠動脈が痙攣(けいれん)して狭くなる冠攣縮性狭心症も多いといわれています。

冠動脈疾患の典型的な症状。
「しめつけられるような」胸の痛み

こんな症状の時は注意が必要です

 冠動脈疾患では、胸の中央やや広い範囲に「しめつけられるような」痛み、苦しさが出ることが多いといわれています。 階段を上ったときや重たいものを持った時など、ある程度の体の負担(労作)の時に限って症状が出る場合は動脈硬化による冠動脈の狭窄が疑われます。 また労作と関係なく(とくに早朝に)症状が出る場合は冠動脈の痙攣が疑われます。 ただし、3週間以内に新しく症状が出始めた方、労作時の症状が出やすくなっている方、安静にしているときに症状が出るようになった方は不安定狭心症といって、特に慎重な対応が必要です。通常はすぐに入院して治療を受けることをお勧めしています。

足の動脈硬化がすすんでくると、
歩く距離に応じて痛みがでます

下肢の動脈硬化症

 下肢に動脈硬化を起こすと、最初はつま先の冷たい感じから始まり、次第に歩いた時の痛みが出現するようになります。 この痛みは徐々に出現するまでに歩ける距離が短くなり、やがて歩かない時でも痛くなります。重症例では足の指が変色したり、皮膚が傷んで潰瘍になったりします。 潰瘍を形成すると自然治癒は困難で、最悪、足を切断しなくてはならなくなります。閉塞性動脈硬化症バージャー病といったこのような下肢の動脈硬化症は、 長期的には癌に匹敵する高い死亡率につながるとして近年おおきな注目を集めています。