網膜中心動脈閉塞症

網膜中心動脈閉塞症とは

網膜中心動脈閉塞症は、眼の奥(眼底)で光を感じる組織である網膜に栄養を届ける動脈が詰まることで起こります。血管が詰まることで網膜の視細胞が機能しなくなってしまう病気です。視細胞が働かなくなった部分は光を感じとれず、映像になりません。

片眼に突然おこることが多く、痛みは感じませんがものが見えにくくなります。時間の経過とともに、強い度数の眼鏡を掛けても視力は0.1以下にまで低下することがあります。

米国での調査によれば10万人に対して年間1.9人の割合で起こり、男性は女性の2倍と報告されています。

網膜中心動脈閉塞症

標準的な治療法

診断は、問診と眼底検査でほとんどわかります。網膜が壊死しないうちに、発症から24時間以内(1~2時間が望ましい)で治療を行う必要があります。まぶたの上から眼球マッサージを行い、血栓溶解薬、網膜循環改善薬などの投与し、目への血流を増やすために頚部交感神経節ブロックなどが試みられることがあります。眼圧を下げるために房水を抜いたり高圧酸素療法を行うこともあります。しかし、網膜の血流が改善されず、視力も戻らないケースが多いのが現状です。
つまり、発症後24時間以内に行われる標準的な治療法、及び発症後24時間以上経過し、視力低下が固定した患者に対しての標準的な治療法はまだ確立されていません。

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