ちば医経塾・病院経営スペシャリスト養成プログラムとは

医療需要が増大する一方で病院経営を取り巻く環境は厳しく、効率的かつ戦略的な病院経営が求められる中、医療の特殊性を理解し経営マインドやマネジメントスキルを持つ人材の育成が重要となっています。
ちば医経塾・病院経営スペシャリスト養成プログラムは、千葉大学の履修証明プログラムとして、病院経営や運営に関する事項を系統的に学べるプログラムを通じて、持続可能な病院経営システムを構築できる実践的な医療人材を養成します。

開講のご挨拶

山本 修一
千葉大学病院 病院長
山本 修一

病院経営で重要なことは、限られた医療資源を効率的に運用して、患者さんに対していかに良い医療を提供するかに尽きるかと思います。
特に公的病院では、ただ収益だけを追求するのではなく、不採算部門を抱えながらも、それも社会的な使命としてより良い医療を提供し続けられる体制を作ることが求められます。そのためにはリーダーが、高い倫理観、的確な情報分析力、課題解決のための様々な選択肢を立案できる能力を持ち、その医療機関にとってのあるべき姿を打ち出して、それを組織末端まで浸透させることが求められています。
ちば医経塾の目指すところは、そのようなリーダーを輩出することです。

井上 貴裕
千葉大学病院 副病院長
病院長企画室 室長
井上 貴裕

病床機能報告制度と地域医療構想、診療報酬のマイナス改定、7対1入院基本料等の厳格化など病院経営を取り巻く環境は極めて厳しく、刻々と変化しています。ただ、「ピンチはチャンス」のはじまりでもあり、この荒波を乗り越えるための病院経営の司令塔を育てていきます。理論に加え、実践で活かせる実学志向のカリキュラム構成になっております。修了後には同窓生ネットワーク組織をつくりますので、千葉大学医学部附属病院を起点とした縦横無尽のネットワークを築くことが可能です。
明日の医療界をよりよいものとするため、共に学び、熱く語り合う仲間をちば医経塾でお待ちしております。

プロフィール

井上 貴裕(いのうえ たかひろ)
千葉大学医学部附属病院 副病院長・病院長企画室長・特任教授

武蔵野赤十字病院、名古屋第二赤十字病院等の地域中核病院の経営アドバイザーを務めている。
医学博士(東京医科歯科大学大学院)、医療政策学修士(東京医科歯科大学大学院)、経営学修士(上智大学大学院・明治大学大学院)。
東京医科歯科大学医学部附属病院病院長補佐・特任准教授を経て現職。

開講に寄せて

鈴木 孝雄
最成病院 院長
鈴木 孝雄

医療を取り巻く環境が大変厳しいことは論を待ちませんが、そんな中でも多くの病院職員は患者のために労を惜しまず、日々、最善の医療を提供しています。地域住民にとって病院はかけがえのないものです。その地域にあり続けるために病院経営に携わる者は職員とともに何を考えどう行動すべきなのか、そのヒントがこのプログラムの中にあります。
「病院経営スペシャリスト養成プログラム」がどんな成果をもたらすか、私は大いに期待しています。

海保 隆
君津中央病院 病院長
海保 隆

私を含め世の中の病院長の大多数は、院長になるまで病院経営など学んだことがない。院長になってからあわてて経営やら財務、人事管理やらを一夜漬け、独学で学んでいる人がほとんどであると思う。一昔前までは経営は事務にお任せの“殿様商売”でも何とかなっていたが、病院経営が厳しさを増す昨今、それでは立ち行かなくなってきています。病院経営スペシャリスト養成プログラム“ちば医経塾”のようなプログラムがあったらどんなに助かったことか…。
これからの病院管理職に絶対おすすめの必須講座と思い推薦させていただきます。

山本 恭平
千葉市立青葉病院 院長
山本 恭平

近年、病院、特に急性期病院を取り巻く経営環境は厳しく、病院経営をマネジメント出来る人材を求める病院は増加していますが、育成の場を用意できないのが現状です。
千葉大学病院を中心に開講される「病院経営スペシャリスト養成プログラム」は、経営の基礎から実践的なプログラムまで、病院経営に精通した一流の講師陣から集中的に提供されることになっており、将来の経営幹部育成プログラムとして大変に期待がもてる内容です。

宮坂 信之
東京医科歯科大学名誉教授
宮坂 信之

これからは病院経営にとって「冬の時代」を迎えると言っても過言ではない。私も某国立大学病院医学部附属病院長だった経験があるが、その時よりもはるかに状況は厳しくなっている。しかも病院経営に必要な知識の多くはon the job treaning(OJT)に頼っており、systematicな教育を受けない場合がほとんどである。
しかし、この「冬の時代」に生き残るためには「病院経営スペシャリスト養成プログラム」を受講し、前向きにかつ戦略的に対応することが必要であると痛感している。

堺 常雄
日本病院共済会代表取締役
日本病院会名誉会長
前聖隷浜松病院総長
堺 常雄

利用者が望むのは「安心・安全で効率的な良質の医療」です。その実現には「診療の質」と「経営の質」の担保が必要です。「病院完結型」から「地域完結型」医療へ、さらには「トータルヘルスケア」へと変わる中で、病院の「ガバナンス」が注目されています。現在の医療者は、このような変化にどう対応すべきかの教育を受けるチャンスがありませんでした。
「ちば医経塾」は各地域の今後のヘルスケア構築のための手助けになります。

西澤 延宏
佐久総合病院 副統括院長
西澤 延宏

医療スタッフは、医療に関してはプロであり、患者さんのためには、あらゆる努力を惜しまない。しかしながらその医療を提供する場としての病院を経営することは、別の問題である。少子高齢化と国の財政悪化の中で、医療費の抑制が行われ、単に努力していれば経営が成り立った時代では、なくなってきている。優れた多くのスタッフを集め、効率的に優れた医療を提供し、最新の医療機器をそろえるには、経営の問題は避けて通ることはできない。
ところが、多岐にわたる病院経営の問題を学び、考える場は驚くほど少ない。今回、「ちば医経塾」が開催されるようになったことは極めて時宜を得た企画であり、経営に日夜苦労している全国の多くの病院経営陣に、福音になるものと期待している。

金田 道弘
社会医療法人 緑壮会
金田病院 理事長
金田 道弘

安倍総理は、緊迫する北朝鮮情勢と急速に進む少子高齢化を我が国の「国難」と位置づけた。人口減少時代の病院経営は過去の延長線上には描けない。経営危機が刻一刻と迫る中、私たちに今必要なのは、国難を受け止める「覚悟」と、「ちば医経塾」である。人口減少最前線で病院経営に31年間携わってきた者として少しでもお役に立つことができれば幸いである。

武久 洋三
日本慢性期医療協会会長
平成医療福祉グループ 代表
武久 洋三

我が国は少子高齢化に伴い、特に医療と介護を取り巻く環境は、目まぐるしく変化しています。国は膨れ上がる社会保障費を抑えるために、2025年に向けて大幅な病床削減をしようとしています。病院であっても淘汰されゆく時代に患者に選ばれる病院しか生き残っていくことはできません。良い病院、選ばれる病院とは、「迅速で適切な治療で病気を治してくれて早く日常に帰してくれる」ことに尽きると考えています。そして世の中の流れに迅速に対応できる病院経営のための教育の場は必要です。「ちば医経塾」の養成プログラムに大いに期待しています。

プログラム概要

内容 本プログラムは、千葉大学病院において、実務能力に長けた講師陣が病院経営上の重要事項を網羅した学習内容を提供し、病院経営のスペシャリストを養成・輩出することを目的とします。
医師を中心に、コメディカルや事務職、地域医療政策を担う自治体職員など将来の病院運営を担う者を対象とし、DPC/PDPS制度に基づく病院経営指標の管理やコストの適正化、診療内容の最適化・質向上といった実践的な学習内容を提供します。
また、実際のデータを活用したハンズオンセミナーやOn The Jobトレーニングを通じた実践的な教育内容を構築(履修証明プログラム)するとともに、働きながら学習可能な体制を提供します。
対象 病院経営について学ぶ意欲をもった、医師、看護師等医療職、行政職員、病院事務職、ヘルスケア企業職員など
日程 平成30年5月~平成31年2月の土曜日・日曜日
各月1日6時間の講座を月2日程度予定(日程調整中)

【時間割】

  • 1限:10時30分~12時
  • 2限:13時~14時30分
  • 3限:14時40分~16時10分
  • 4限:16時20分~17時50分
場所 千葉大学医学部附属病院内
学習時間 120時間以上(電子媒体での補講制度あり)
募集人数 正規プログラム履修者10名程度
このほか科目履修生も募集します
応募方法・時期 詳細は募集要項をご覧ください。
その他 正規プログラム履修生には、修了時に学校教育法に基づいた履修証明書を発行。病院経営スペシャリストの称号を附与し同窓組織へ登録します。

主な講義の概要

科目 表題
医療経営学講義・演習
  • 病院経営分析の実践
  • 医療機関における労務管理
  • 災害医療について
  • 「先進医療」
  • 病院薬剤部の運営管理
  • 病院放射線部の運営管理
医療制度論・医療政策学
  • 診療報酬のしくみ
  • DPC制度の歴史とこれから
  • 介護保険制度改革
  • 地域医療構想
  • 海外の医療制度との比較
  • 医療政策の決定プロセス
医療経済学
  • 医療経済学Ⅰ
  • 医療経済学Ⅱ
  • 政策倫理学
統計学 統計学基礎
医療情報学
  • NDBを活用した外部環境の把握
  • 「情報化医療社会における病院・地域の情報化のあり方・進め方」
  • 「情報化医療社会における法規制:個人情報保護法、臨床研究に関する倫理指針」
  • 「情報化医療時代における医療機関・医療人が備えるべき情報セキュリティに関するモラル・リテラシー」
医療安全概論
  • 医療安全論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ
  • BCPの基本
  • 感染制御
  • 医療訴訟・事故調
レギュラトリーサイエンス概論
  • 臨床研究のルールとマネージメント
  • 臨床研究におけるガバナンスと病院での管理・対応について
健康経営学
  • 医療機関での働き方改革:政策動向と重要性
  • 医療機関におけるストレスチェック制度の活用
  • 医療専門職のストレスマネジメント
  • 職場環境向上の取り組み
  • 法律家からみた労務管理
  • W・L・Bコンサルティング
  • 医療人材確保ワークショップ
医療機関コミュニケーション論
  • 広報がうまくいけば、病院経営もうまくいく
  • ブランディングとは
  • メディア対応/リスクコミュニケーション
  • 地域医療連携の実際について
  • 病院経営とは まとめ

主な講師紹介

医療経営学

講師 所属 講義内容
井上 貴裕
井上 貴裕
千葉大学病院 副病院長 病院長企画室長
  • 決算書の読み方
  • 財務分析
  • 適正な人員配置をデータで検証する
  • 経営学のフレームワーク
  • DPC制度の理解とデータ活用
  • ランチョンセミナー等
堺  常雄
堺  常雄
日本病院共済会代表取締役
日本病院会名誉会長
前聖隷浜松病院総長
  • 求められる医療経営管理者の資質と役割
武久 洋三
武久 洋三
日本慢性期医療協会会長 
平成医療福祉グループ 代表
  • 医療、介護のこれまでと、これから
  • 地域別、機能別病院の処方箋
山本 修一
山本 修一
千葉大学病院病院長
  • 病院経営
仲井 培雄
仲井 培雄
医療法人社団和楽仁
芳珠記念病院 理事長/
地域包括ケア病棟協会会長
  • 地域包括ケアミックス病院としての取り組み
金田 道弘
金田 道弘
社会医療法人 緑壮会 金田病院 理事長
  • 映画「シン・ゴジラ」に学ぶ人口減少時代の病院経営
渡辺  徹 名古屋第一赤十字病院
  • 病院労務管理の課題【管理者を悩ませる「労務管理上の問題点」とは?】
  • 労働時間概念【適切な「労働時間管理」とは?】
  • 安全配慮義務【メンタル等に罹患した職員に対する適切な「労務管理」とは?】
  • ワーク・ライフ・バランス【育児・介護のための適切な「両立支援」とは?】
西澤 延宏 佐久総合病院 副統括院長
  • これからの急性期病院マネジメント
  • 地方における地域包括ケアシステムへの対応
稲葉 明日香 医療法人社団友愛会 法人本部 経営企画室 室長
  • 医療と介護の戦略的融合 ~小規模病院が取り組む「地域包括ケアシステム」づくりの実例~
上村 恒雄 上村公認会計士事務所
  • 人件費の分析・・・財務・管理会計と制約条件
  • 病院・医師に関連する税金の概要
瀬川  寛 株式会社日建設計 理事
  • 病院を建設するときの進め方の大筋/設計事務所の立場から
  • 大規模災害に備えた病院計画/石巻赤十字病院を例に
富田 博樹 日本赤十字社 医療事業推進本部長
  • 病院の院長としての病院運営の経験と、病院グループ本部長としてグループ運営から学んだ事
武居 哲洋 横浜市立みなと赤十字病院 院長補佐
  • 重症系病床の国際比較と今後の方向性
山本  晃 横浜市立みなと赤十字病院 院長補佐
  • 医師が経営企画に関わるための課題
藤井 将志 特定医療法人谷田会 谷田病院 事務部長
  • 99床の小規模病院で実践している病院経営
  • 消滅可能性自治体で病院・ヘルスケア事業を経営するとは
箕浦 洋子 兵庫県立尼崎総合医療センター 副院長兼看護部長
  • 演題名確認中
  • 演題名確認中
金岡 祐次 大垣市民病院 院長
  • 戦う院長、意識改革がすべてです。
丸山 嘉一 日本赤十字社医療センター
国内・国内医療救援部長
肝胆膵・移植外科
  • 災害医療概論
松尾 文美 公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院統括看護部長
  • 病院経営に看護部門が貢献できること
泉  並木 武蔵野赤十字病院院長
  • チーム医療による病院マネージメント
後藤 敏和 山形県立中央病院名誉院長
  • 医師確保、救急医療、医療安全
  • 公立病院における病院経営
桝田 喜正 千葉大学医学部附属病院 放射線部
副部長・診療放射線技師長
  • 病院放射線部のマネジメント
石井 伊都子 千葉大学病院薬剤部部長
  • 病院運営と薬剤部運営の連携

医療経済学

講師 所属 講義内容
福田  敬 国立保健医療科学院
  • 医療経済学I
佐藤 大介 国立保健医療科学院
  • 医療経済学II
亀田 義人 千葉大学病院病院長企画室
  • 医療政策倫理

医療制度論・医療政策学

講師 所属 講義内容
井上 貴裕 千葉大学病院 副病院長
  • 平成30年度診療報酬改定の概要
千葉県 調整中
  • DPC制度の歴史とこれから
服部 真治 医療経済研究機構研究員
  • 介護保険制度改革
千葉県 調整中
  • 地域医療構想
吉村 健佑 国立保健医療科学院
  • 医療政策の決定プロセス
厚生労働省 調整中
  • 海外の医療制度との比較
宇都宮 啓 千葉大学客員教授
  • 今後の医療の展望

医療情報学

講師 所属 講義内容
吉村 健佑 国立保健医療科学院
  • レセプトデータを活用した外部環境の把握
島井 健一郎 千葉大学病院 企画情報部
  • 情報化医療社会における病院・地域の情報化のあり方・進め方
  • 情報化医療時代における医療機関・医療人が備えるべき情報セキュリティに関するモラル・リテラシー
  • 情報化医療社会における法規制:個人情報保護法、臨床研究に関する倫理指針

統計学

講師 所属 講義内容
桑原 比呂世 千葉大学病院 病院長企画室
  • 統計学
  • 演習

医療安全概論

講師 所属 講義内容
相馬 孝博 千葉大学病院 副病院長 医療安全部部長
  • 医療安全概論
中野 明安 丸の内総合法律事務所弁護士
  • BCPとは
猪狩 英俊 千葉大学病院 感染制御部 部長
  • 病院感染対策
鈴木 庸夫 千葉大学法務室顧問弁護士
  • 医事訴訟
  • 医療行為および付随的義務の法的問題
  • 医療裁判と社会

レギュラトリーサイエンス概論

講師 所属 講義内容
宮坂 信之
宮坂 信之
東京医科歯科大学 名誉教授
  • 先進医療
  • 薬はリスク?
長村 文孝 東京大学医科学研究所先端医療研究センター先端医療開発推進分野 教授
  • 企業と協働したトランスレーショナルリサーチのスタートからクロージングの実際
  • 開発研究の出口戦略、知財管理及び産学連携・製品化、TLO業務
花岡 英紀 千葉大学病院 臨床試験部
  • 臨床研究のルールとマネージメント
  • 臨床研究におけるガバナンスと病院での管理・対応について

健康経営学

講師 所属 講義内容
三谷 和歌子 田辺総合法律事務所
  • 法律家から見た労務管理
吉村 健佑 国立保健医療科学院
  • 医療機関での働き方改革:政策動向と重要性
原 雄二郎 株式会社 Ds's(ディーズ)メンタルヘルス・ラボ 代表取締役
東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野客員研究員
北里大学一般教育部人間科学教育センター客員研究員
 
清水 栄司 千葉大学病院 認知行動療法センター センター長
  • 医療専門職のストレスマネジメント
三澤 園子
江口  尚
千葉大学神経内科学准教授・北里大学公衆衛生学講師
  • 健康経営の実際・取り組み事例
亀田 義人 千葉大学病院長企画室
  • W・L・Bコンサルティング
  • 医療人材確保ワークショップ

医療機関コミュニケーション論

講師 所属 講義内容
鹿野 由利子 千葉大学病院 特任准教授
  • 病院広報戦略
調整中 調整中
  • 組織論
藤田 伸輔 千葉大学地域医療連携部長
  • 地域医療連携の実際