手術説明用紙

真性包茎に対する包皮形成術

 

 

1.手術の必要性について

包茎による亀頭包皮炎、尿路感染症、排尿困難(排尿時のバルーニングや尿線の異常)などの症状を改善するためにはなんらかの治療が必要です。真性包茎の程度が極めて高度な場合や、ステロイド軟膏による治療が無効の場合、手術による治療が必要となります。

 

2.手術方法について

入院の上、全身麻酔で手術を行います。

小児の真性包茎に対する手術は、亀頭を完全に露出させるものではなく、包皮の脱転可能な仮性包茎の形を目指すものです。その方法は、包皮の狭窄部に縦切開を加え、それを横方向に縫合して包皮の径を拡大するというものです。術後、抜糸はせず、自然に脱落するのを待ちます。手術時間は大体1時間以内です。

 

3.期待される効果

包茎による亀頭包皮炎や排尿困難などの症状がおこりにくくなることが期待されます。

 

4.可能性のある合併症

出血           創部から出血する場合があります。

排尿時痛     術後早期にはしばしばみられます。鎮痛座薬などで対応します。痛みが原因でおしっこを我慢してしまい、膀胱が緊満することで腹痛を訴えることがあります。このような場合、導尿(膀胱に細い管をいれておしっこを出す)が必要となります。

感染           創部に感染をおこすことがあります。難治性の場合、抜糸などの処置が必要になることがあります。

包皮腫脹     包皮の腫脹がみられることがあります。数日で自然に改善します。

再発           術後に洗浄などのケアを怠った場合、包皮亀頭間の癒着により再び包茎となることがあります。

その他         予期することの困難な、極めて稀な合併症が生じる可能性があります。

 

5.当処置を受けない場合に予測される病状の推移

亀頭包皮炎やバルーニングなどの排尿障害が継続します。

 


入院・手術・退院後の予定

包茎

 

当科の手術日は水・金曜日です。手術前日の午前中に入院していただきます。

 

@ 入院1日目                    (火or木)

入院当日は、水分、食事は自由に取れます。

当科で手術を担当する医師より手術に関する説明があります。

麻酔科医師により麻酔に関する説明があります。この時に手術当日の飲食の指示があります。

 

A 入院2日目:手術  (水or金)

手術室に入るおおよその時間は前日決定します。ただし、ほかの手術の進行状況により多少前後することがあります。

帰室後12時間は泣いたり暴れたりすることがあります。多くの場合、痛みのためではなく、麻酔からさめた後の一時的な興奮状態によるものですので、心配は要りません。必要に応じ痛み止めの座薬を使います。

手術中に大きな合併症がなければ通常帰室後2時間より水分を摂ることが可能です。水分を飲んで30分様子を見て、嘔吐、吐き気がなければ食事を摂ってもさしつかえありませんが、はじめは慎重に少しずつ与えてください。

排尿後は創部の洗浄を行います。

入浴はできませんが、シャワーは翌日から浴びることができます。

 

B 入院5日目:退院  (土or月)

朝回診で傷や全身の状態を診察します。問題がなければ退院となります。

会計箋をご用意できる時間がお約束できないため、次回の外来受診時に会計をお願い致します。当日会計をご希望の方は、事前にお伝えください(土日は会計業務ができません)。

 

C 退院後

退院後の外来受診日は、水曜日に手術を受けた方は翌週の火曜日、金曜日に手術を受けた方は翌週の木曜日です(通院が困難な場合、担当医にご相談下さい)。その時まで入浴はできませんが、シャワーは浴びることができます。退院後の手術創の洗浄・消毒は必要ありません。

激しい運動、傷をぶつける、擦ることは、出来るだけ避けてください。

その他、ご心配なことがあれば電話にて指示を受けてください。