麻酔薬を使ってのCT検査説明用紙

 

何故、麻酔薬を使って寝かせる必要があるのでしょうか?

CT検査では体の詳細な情報が得られますが、検査の間じっとしていられない小さいお子様では、動いたり泣いたりすることにより画像が乱れて折角の検査が無駄になります。その為、眠るお薬(麻酔薬)を使って検査を行います。

眠るお薬(麻酔薬)について:眠るお薬は、検査の30〜45分前に座薬を用います。これでお子様が眠り、検査が十分行えるようであれば追加の麻酔薬は使いません。眠りが浅く検査ができないようであれば、静脈麻酔薬を用います。静脈麻酔薬を使う際には十分注意して使用しますが、お子様によっては呼吸が浅くなり血液中の酸素濃度が低くなる可能性もあります。稀ですが呼吸が停止する可能性があり、この場合、検査は中止しすぐに蘇生処置に移ります。蘇生処置として投薬(心拍数を上げる薬、血圧を上げる薬など)、人工呼吸、心臓マッサージなどがあります。処置後は病棟に戻り、血中の酸素濃度をモニターする機械、心電図などを付ける必要があります。

 

眠るお薬(麻酔薬)を使っての検査の実際

基本的に入院した上で検査を行います。これは、麻酔薬を使うため必要に応じた対処が迅速に出来るようにするためです。検査前に十分睡眠を取っていると検査の際、薬を使ってもなかなか寝ないことがあるので、朝早めに起こし、眠り薬の座薬を入れるまで寝かせないようにしてください。

検査する部位には金属(ボタン、ホックなど)類は身につけないで下さい。金属により画像が乱れ、検査が無駄になることが有ります。

 

1.     入院の準備をして、検査当日、朝10時に外来に来てください。通常、検査申し込み時に、前もって医師より検査当日の食事・飲水の指示があります。麻酔前に飲んだり食べたりしていると、検査中に嘔吐し息が出来なくなることがあります。検査当日の指示は必ずお守りください。

2.     入院後、点滴を入れます。これは、食事・水分を止めた後、お子様が脱水になるのを防ぐためと麻酔薬や造影剤を投与するために行います。

3.     眠くなる座薬を検査前、約30分から1時間前に入れます。

4.     通常、検査は13:00より行います。検査時間は、5〜10分前後です。

5.     検査後、飲食は医師・看護師の指示に従ってください。十分に目が覚め飲食が出来たら点滴を抜き退院できます。

 

造影剤アレルギーについて:造影剤は血管に注入することにより血管や臓器をはっきりとさせるため、詳細な画像が得られ病気の診断にとって有用な薬です。しかし、造影剤の副作用として吐き気、嘔吐、熱感などを訴えることがあります。稀ですがアレルギー発作として喘息様の咳、呼吸困難などの重篤な症状を伴うことがあります。詳しい書類を添付しますので、検査前に必ず読んでください。


造影剤の役割と副作用について

1)造影剤の性質とその役割について

造影剤は画像診断検査に際して、画像コントラスト(濃淡)を増強するための検査薬です。通常静脈より注射投与します。注射された造影剤は血管を介して全身の臓器へと分布します。この分布の状態を観察することで、画像診断上重要な情報となることがあります。造影剤を使用しなくてもCT検査は実施できますが、病気の存在が分かりにくく正確な診断ができないことがあります。CT検査では水溶性ヨード造影剤が用いられます。腎機能が正常な方では注射後速やかに腎臓から尿中へと排泄され、24時間以内にほとんどが体外へと排泄されます。

2)造影剤の副作用と合併症について

現在用いられているCT検査用造影剤は一般に安全な薬剤とされていますが、副作用が生じることがあります。造影剤の副作用は注射直後から数分以内に発生する場合(即時型)と、数時間から数日後に発生する場合(遅発型)があります。具体的な副作用の種類は以下のようなものです。

@ 軽度の副作用:吐き気・動悸・皮膚のかゆみ・発疹など

これらの副作用は基本的に経過観察のみで、特別な治療を必要としません。これらの副作用のおきる確率は造影検査全体の約2%(100人に2人)と報告されています。

A 重度の副作用:呼吸困難・意識障害・血圧低下など

まれに治療が必要となる重い副作用が起こることがあります。これらの副作用のおきる確率は造影検査全体の約0.1%(1000人に1人)と報告されています。ときに入院や手術が必要となり、場合によっては後遺症が残る可能性があります。非常にまれですが病状経過・体質により、重篤な副作用の結果死亡にいたる可能性があります。これらの副作用のおきる確率は検査全体の0.0005-0.001%(10-20万人に1人)と報告されています。

B 造影剤は血管内に確実に点滴の針が入っていることを確認してから注射を開始しますが、途中で皮膚の下にもれて痛みやしびれなどを生じることがあります。多くの場合自然に回復しますが、まれに皮膚切開などの治療が必要となる場合があります。

C その他、ごくまれに予期せぬ副作用・合併症が生じることがあります。また造影剤使用時に体が熱くなることがありますが、血管に対する直接の刺激で正常な反応であり心配はありません。

3)造影剤を用いた検査を行えない人

現在のところ、副作用の発生を事前に予測する確実な方法はありません。ただしアレルギー体質の方は副作用を生じる可能性が約3倍多いとされ、特に喘息の方の副作用発生率は10倍とされています。腎機能の悪い方では腎機能がさらに悪化する危険性があります。またその他、造影剤の使用が禁忌とされているいくつかの疾患や病態(甲状腺疾患・心不全など)があります。

重篤な副作用を最小限とするために別紙の問診表に記入いただき、該当される方は予め検査担当医にお知らせ下さい。造影剤の使用につき慎重に検討いたします。当日体調の悪い方は担当者にお知らせ下さい。

4)緊急時の対応について

副作用や合併症が生じた場合は、医師や看護師が必要に応じて適切な治療・対応を行います。検査室には必要な医薬品や救急用設備を用意してあります。検査終了の後日、遅発性副作用が生じた場合も、適切な診察と治療を実施いたします。

5)検査のための準備

副作用の吐き気・嘔吐が生じた場合の肺への食物の誤嚥をさけるために、検査当日は食事制限をさせていただいております。


 

同意書

 

担当医師より今回の検査についての説明を受け、また検査説明用紙を読んだ上で、麻酔薬を使ってのCT検査に

 

 

            同意する        同意しない

 

 

 

 

説明日 20  年  月  日

 

説明を受けた人: ____________

 

 

 

    担当医 ____________