小児外科ってなんだ? | |||
小児外科という科になじみのない方も多いと思いますが、小児科がこどもの内科であるのに対して、 小児外科はこどもの外科です。 生まれたての赤ちゃんから、中学生位までのお子さんの外科疾患を担当しています。 小児外科であつかっている病気は多岐にわたります。 体の部位だと、腹・胸(心臓以外)・骨盤内・頸に及びます。 大人の診療科でいうと、消化器外科・泌尿器科・呼吸器外科・頸部外科の領域をカバーしています。 病気の種類では、新生児疾患・先天性疾患・腫瘍・外傷など、さまざまですが、 あまりおなじみでない病気がほとんどだと思います。 その中でも、比較的頻度の多い疾患とその症状を以下に挙げます。 そけいヘルニア(脱腸)・陰嚢水腫 おまたのつけねや陰嚢が腫れる。自然治癒しにくいので手術が必要です。 停留精巣 陰嚢内に精巣(睾丸)がない、もしくは上がりやすい。不妊の原因になるので2歳ごろまでに手術が必要です。 包茎 亀頭(おちんちんの先端)が出てこない。感染を起こして赤く腫れたりする場合には、治療が必要となることがあります。 臍ヘルニア(でべそ) へその緒が取れた後の穴から出っ張る。見た目の問題ではありますが、気になる場合は2歳ごろまで待って手術を考えます。 肛門周囲膿瘍・乳児痔瘻 肛門の周囲に腫れ物ができ、破れて膿が出る。ほとんどは手術を必要としませんが、少し切って膿を出したり、漢方薬を使ったりします。何度か繰り返しますが、1歳頃にはほとんど治ります。 裂肛(切れ痔)・痔核(いぼじ) 便秘のお子さんに多いです。おしりから血が出ることがあります。肛門に出っ張り(みはりいぼ)ができることもあります。基本的には塗り薬と便秘の治療をします。 便秘(慢性便秘) お子さんの便秘のほとんどは原因が不明ですが、手術の必要な病気が隠れていることがあります。お薬で便の性状を整えてあげたり、漢方薬などを併用して腸の動きをコントロールしていきます。御家族の協力が大切です。 血管腫・リンパ管腫 血管やリンパ管の形成異常で、体のあらゆる場所に柔らかいこぶのようなものができます。硬化療法や、手術が行われます。 肥厚性幽門狭窄症 生まれて1ヶ月前後の赤ちゃんの吐き方が尋常でない。 その他・・・ 消化管異物(変なものを飲み込んだ) 頸部腫瘤(首にしこりがある) 腹部外傷、熱傷 当科を受診される患者さんの多くは、お近くの小児科の先生方からの御紹介でいらっしゃる方です。しかし、本来小児外科は『こどもの外科』なのです。もしお子さま、お孫さんの御身体のことで御心配がございましたら、お気軽にご来院ください。 私どもは、小児外科緊急疾患に対し、 365日24時間、いつ何時でも対応可能です。 (おいそぎでない場合、月・火・木曜日の午前中にいらしてください。) |