コラム

みなさんの職場は安心して働ける職場ですか?

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みなさんは会社と労働契約を締結して働いている訳ですが、労働契約で定められた労働条件が法令どおり守られてさえいればそれでよいのでしょうか?

労働者が働き、それに対して賃金を支払うという労働契約に付随して、事業者には、労働者が仕事をする際に、ケガをしたり、病気になったりしないよう、事業場の安全衛生面に配慮する義務が課せられています。この義務を安全配慮義務といいます。

事業者が安全配慮義務を果たさず、労働災害を発生させて場合には、債務不履行に基づく民事上の損害賠償の責任が生じます。(民法415条)その為、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的として定められたのが、労働安全衛生法です。

労働安全衛生法では事業者が講ずべき措置について、以下のように示しています。
○安全衛生管理体制の確立。(総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者等の選任、安全委員会、衛生委員会の設置、産業医制度等)
○労働者の危険又は健康障害を防止するための措置。
○労働者の就業に当たっての措置。(事業者は労働者を雇い入れたとき又は作業内容を変更するときには、安全衛生教育を行わなければなりません。クレーン運転など一定の業務については、免許を有する者、一定の技能講習を終了した者でなければ就業させてはなりません。等)
○労働者の健康の保持増進のための措置。(雇入れ時の健康診断、定期健康診断、特殊健康診断、海外派遣労働者の健康診断、ストレスチェツク、労働者の受動喫煙等)
○快適な職場環境の形成のための措置。(事業者は、事業場における安全衛生の水準向上のため、職場環境を快適な状態に維持管理する努力義務があります。)

このように、労働者への安全配慮義務が課せられて、事業者の講ずべき措置が具体的に定められている状況下では、これらを遵守することは当然のこととなります。また、厚生労働省では、「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を策定し、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を定めています。また、「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」も取りまとめています。これらのことも、労働者への安全配慮義務違反が問われる可能性がある問題であり、安全で快適な職場環境で働くことは、労働者としての大切な権利ということになります。

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