病気を知る 脳卒中について

脳卒中とは

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳細胞が急激に障害を受ける病気の総称です。
代表的には「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つがあります。
いずれも命に関わる重い病気であり、発症直後から脳の細胞に不可逆的な障害が進行するため、迅速な対応が極めて重要です。
治療の遅れは後遺症や死亡率に直結するため、早期発見と一刻も早い受診が必要となります。

脳卒中の種類と主な症状

脳梗塞とは

脳梗塞は、脳の血管が血の塊(血栓)や動脈硬化によって狭くなり、血液が十分に流れなくなることで脳細胞が壊死してしまう病気です。
脳卒中の中で最も多く、全体の約6割を占めます。突然、片側の手足が動かしにくい、言葉が出にくい、視力がぼやける、顔の片側が下がるといった症状が典型的です。
原因には高血圧、糖尿病、脂質異常症、不整脈(特に心房細動)、喫煙や飲酒などの生活習慣が大きく関わっています。治療は「時間との勝負」であり、発症から4.5時間以内であれば血栓を溶かすt-PA静注療法が行われます。
また、カテーテルを用いて血栓を取り除く血管内治療も効果的です。その後は抗血小板薬や抗凝固薬を使い再発を防ぐとともに、生活習慣の改善やリハビリを継続することが大切です。

脳出血とは

脳出血は、脳の血管が破れて出血し、その血液が脳を圧迫して神経細胞を傷つける病気です。脳卒中全体の約3割を占め、脳梗塞の次に多いタイプです。
高血圧が最大の原因で、特に長年の高血圧により血管がもろくなると発症リスクが高まります。
症状は突然の頭痛、吐き気、手足の麻痺、言語障害、意識障害などで、出血の場所や大きさによっても異なります。
治療はまず血圧をコントロールして出血の拡大を防ぐことが基本です。出血量が少なければ安静と内科的治療で経過をみますが、血腫が大きく脳を圧迫している場合は外科手術で血腫を取り除く必要があります。
命に関わることも多く、治療後は高血圧管理とリハビリテーションが再発防止と回復の鍵となります。

くも膜下出血とは

くも膜下出血は、脳を覆う膜の一つである「くも膜」の下に出血が広がる病気で、多くは脳動脈瘤の破裂が原因です。
脳卒中全体の約1割を占めます。「経験したことのない激しい頭痛」が起こるのが特徴で、吐き気やけいれん、意識障害を伴うこともあります。高齢者に多い病気ですが、若年層でも発症することがあります。
治療は再出血を防ぐことが最優先で、開頭手術で動脈瘤をクリップで閉じる「クリッピング術」や、カテーテルでコイルを詰める「血管内コイル塞栓術」が行われます。
集中治療では、血管れん縮や水頭症などの合併症を防ぐ管理も行われます。

リハビリテーションについて

脳卒中の後遺症には、手足の麻痺や言語障害、飲み込みの障害、記憶力や注意力の低下など多様なものがあります。
これらは発症直後からのリハビリによって改善が期待でき、日常生活への復帰や社会参加のために欠かせません。リハビリは大きく3つの段階に分かれます。

  • 急性期:再発や合併症の予防を行いながら早期離床を進め、体を動かす準備を整えます。
  • 回復期:理学療法士による歩行練習や作業療法士による日常動作の訓練、言語聴覚士による言語や嚥下の訓練などを集中的に行います。
  • 生活期:退院後の生活期リハビリでは、在宅での自主トレーニングや通所リハビリを通じて機能維持や社会復帰を支援します。

リハビリは単に身体機能の回復だけでなく、自分らしい生活を取り戻すためとても重要です。
医師・看護師・リハビリ専門職・ソーシャルワーカーなど多職種が連携し、本人と家族を支えることが成功の鍵となります。

脳卒中のリスクと予防

脳卒中は突然発症する病気ですが、多くの場合、生活習慣や基礎疾患が大きく関係しています。
特に高血圧は最大のリスク因子で、長年にわたり血管に負担をかけ続けることで、脳梗塞や脳出血の発症リスクを大きく高めます。
そのほか、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、過度の飲酒、運動不足、不整脈(特に心房細動)なども重要な要因です。
脳卒中のリスクをゼロにすることはできませんが、生活習慣の改善によって大幅に減らすことが可能です。特に血圧の管理、禁煙、減塩、適度な運動、十分な睡眠が効果的です。
また、糖尿病や不整脈など基礎疾患を持つ場合は、医師の指示に従い、薬の服用や定期的な受診を継続することが大切です。日常生活では、野菜や魚を中心にした栄養バランスの良い食事、ストレスの適切なコントロールも予防につながります。
さらに、脳卒中の前兆に素早く気づくことも予防に直結します。そのための合言葉が 「ACT-FAST」 です。

F(Face)顔

顔の片側が下がって動かない

A(Arm)腕

片側の腕に力が入らない

S(Speech)言葉

ろれつが回らない、うまく言葉が出ない

T(Time)時間

症状がでた時間を記録してすぐに119番

よくある質問

脳卒中について、よくある質問をまとめました。

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