病気の後を知る 薬剤について
概要
脳卒中や心臓病では、再発や症状の悪化を防ぐために、処方された薬を毎日きちんと飲むこと(服薬継続)がとても重要です。医師が患者さん一人ひとりの状態に合わせて処方した薬には、それぞれ大切な役割があります。
薬を継続して服用することで、血管の詰まりや血栓ができるのを防ぎ、脳卒中や心臓病の再発リスクを下げる効果が期待できます。
薬剤について(脳卒中・心臓病)
どんなお薬が使われるの?
脳卒中や心臓病では、いくつかの種類のお薬が使われます。
血液の凝固を抑えるお薬
- 抗血小板薬:アスピリン、クロピドグレルなど。
- 抗凝固薬:ワルファリン、新規経口抗凝固薬(DOAC)など。
脳卒中や心筋梗塞後では、血液の凝固を抑える薬が使われることが多いです。
血栓の形成を抑えることで、再発リスクを低下させます。
血圧を下げるお薬
- カルシウム拮抗薬
- ACE阻害薬・ARB
- 利尿薬
- β遮断薬(ベータ遮断薬)
高血圧は脳卒中や心臓病の大きな原因のひとつです。
血圧を安定させることで、血管や心臓への負担を軽減し、再発予防に繋がります。
コレステロールを下げるお薬
- スタチン系薬剤
- エゼチミブ
- PCSK9阻害薬
動脈硬化の進行を抑え、脳卒中や心筋梗塞の再発を防ぐ目的で使われます。
お薬を正しく飲むためのポイント
お薬は、医師や薬剤師の指示どおりに、正しく継続して飲むことが大切です。症状が良くなったからといって自己判断で中止したり、量や回数を変えたりすると、再発や合併症の原因になることがあります。基本的なポイントとして、次の点を意識しましょう。
- 毎日できるだけ決まった時間に飲む
カレンダーやスマートフォンのアラーム、服用アプリの活用がおすすめです - 飲み忘れた場合の対応は、薬の種類によって異なるため、事前に薬剤師に確認しておく
- 処方された薬がなくなる前に、余裕をもって再処方や受診を行う
- 症状が落ち着いていても、自己判断で服用を中止しない
また、お薬は水またはぬるま湯で飲むことが基本です。
ジュース(特にグレープフルーツなどの柑橘系)や牛乳で飲むと、薬の効き方が変わることがありますので注意しましょう。
水なしで飲むと、薬がのどや食道に張り付き、炎症や潰瘍を起こすことがあります。
コップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用することを心がけてください。
ただし、心臓や腎臓の病気などで水分制限がある方、飲み込みにくさがある方には、少量の水で飲める薬(湿性錠、OD錠など)に変更できる場合もあります。
服薬に不安や困りごとがあるときは、無理をせず医師や薬剤師に相談することが大切です。
お薬と食生活
お薬の中には、食べ物や飲み物との組み合わせによって作用が変わるものがあります。
例えば、一部の抗凝固薬や抗血小板薬、コレステロールを下げる薬では、グレープフルーツなど特定の食品と一緒に摂取することで、薬の効き方が強くなったり弱くなったりする場合があります。
また、市販薬やサプリメントを併用すると、お薬の効果が十分に得られなかったり、副作用が出やすくなったりすることもあります。
普段の食事内容や健康食品の利用も含め、気になることがあれば自己判断せず、医師や薬剤師に相談することが大切です。
こんなときは相談を
お薬について、次のようなことがあれば、自己判断せずに医師や薬剤師へ相談してください。
- 飲み忘れが続いてしまう
- 副作用かもしれない症状(ふらつき、だるさ、動悸など)が気になる
- 他の病院で新しい薬を処方された
- 市販薬やサプリメントを使ってよいか迷っている
- 生活環境が変わり、今まで通り飲むのが難しくなった
不安や疑問を抱えたまま服薬を続けることは、治療の妨げになることがあります。
「少し気になる」の段階で相談することが、安心して治療を続けるための大切な一歩です。
医師・薬剤師は、お薬だけでなく、生活全体を含めたサポートを行っています。
困ったときは、一人で抱え込まず、気軽に相談してください。