医局案内

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教授挨拶

当教室のミッション

『すべての患者に対する安全かつ快適な医療』を実現するため、

1.臨床上の問題解決、機序解明を目指す基礎医学・臨床医学研究を推進します

2.麻酔科医師による周術期医療、緩和医療を拡充します

3.麻酔科学、周術期医療の次世代を担う麻酔科医を育てます

千葉大学大学院医学研究院 中核研究部門 呼吸・循環治療学研究講座 麻酔科学研究領域 教授
千葉大学医学部附属病院 麻酔・疼痛・緩和医療科 科長
磯野史朗

“苦痛を和らげる”“いのちを守る” … これらは医療の原点であり、まさに私たち麻酔科医の仕事です。『すべての患者に対する安全かつ快適な医療を実現する』、これが当教室のミッションです。ミッション達成のためには、同じ思いを持つ仲間が必要です。以下は、麻酔科学を通して医療の原点に立とうと考えている研修医や学生の方々へ、当教室教授としての私からのメッセージです。また、すでに専門医を取得し千葉大学でさらに研鑽を積みつつ一緒にミッション達成を目指していただける麻酔科医へも千葉大学はオープンです。

麻酔科学は全身を管理する周術期管理医学
麻酔科医の能力が手術適応を拡大します

麻酔科学は外科に付属する科と考えられがちですが、これは大きな誤解です。麻酔科医は、外科手術のために患者に加わる侵襲をコントロールするため全身管理や病態を治療する内科医です。安全性の高い麻酔薬が使用できる現在では、多くの場合、患者に麻酔をかけることは決して難しいようには見えません。しかし、麻酔や手術は決して安全ではなく、特に術前より重篤な全身合併症を有する患者や術中に急変する患者の周術期死亡率も決して低くはありません。このため、例えば早期の悪性腫瘍が手術により治癒可能な場合でも、麻酔・手術の危険性が高く手術ができないこともあります。合併症に対する内科的知識、生体の反応を的確に判断できる生理学的知識、正確な薬理学的な知識、そして急変する病態に対応する危機管理能力も持つ麻酔科専従医であれば、この手術適応を拡大することができます。また、難しいとされる手術そのものも麻酔科医による全身管理能力次第で成功に導くことも可能です。麻酔科医は、手術を受ける患者さんにとって最も重要な時期を安全かつ苦痛なく管理治療するキーパーソンなのです。

『考える麻酔』で『断らない麻酔』を目指します

当教室では、重篤な合併症を有する患者でも、我々の知識と能力を駆使して必要な手術を受けていただけるように最大限の努力をしています。そのためには、漫然と麻酔を行うのではなく、常に病態を考え、麻酔・全身管理を行っております。つまり、手術の必要なすべての患者に対して『断らない麻酔』を実現するために、常に『考える麻酔』を実践しております。しかし、『言うは易く、行うは難し』の通り、現在の医療レベルでは重篤な合併症の管理をすべて思った通りにできるわけではありません。麻酔科学は完成していません。だからこそ、診療上の問題解決を目指す臨床研究を行い、その成果を全身管理向上につなげる必要があると考えます。そのためには、我々と一緒に患者管理で悩みその解決を目指すフレキシブルな頭脳と新しい発想を持つ仲間が必要なのです。

なぜ、千葉大学か?:診療、研究、教育の実績があります

千葉大でなくとも麻酔科専門医にはなれます。しかし、当ホームページをご覧になればお分かり頂けるように、当教室には診療・研究・教育において優れた実績と経験があると自負しております。当施設では、大学病院として一般病院では経験できない最先端手術、侵襲の大きな手術や重篤な合併症を持つ患者さんの麻酔管理がほとんどで、臨床医としての実力をつけるには十分な症例が経験できます。さらに、当教室の緩和ケア病棟で全人的に患者と向き合い、症状治療の重要性を学ぶこともできます。また、当教室の臨床研究は世界的にも高く評価され、磯野はアメリカ麻酔科学会の機関誌であるAnesthesiologyのEditorの一人として、専門領域である周術期の呼吸・気道管理に関しての最新情報を世界に発信しております。我々の臨床研究の成果は特に国内外の周術期気道管理の安全性を高めることに大きく貢献しています。最新の知見を積極的に取り入れた当教室独自の麻酔診療マニュアルは、最新の医療レベルを診療と教育に反映させるため役立っております。麻酔科専門医としての生涯研修や就職に関しては、CAN (Chiba Anesthesiologists Network)と呼ばれる関連施設との協力体制が構築されています。”Yes, we CAN”の言葉に表されるように、バラエティに富んだ関連施設の仲間からバランスのある教育を受けつつ、麻酔診療・地域医療に活躍しております。我々は、将来フリーの麻酔科医となる人材を養成することには消極的です。我々のCANのような組織では、育児・出産後の復帰、就職、生涯研修などお互いに助け合うことができます。もちろん切磋琢磨して発展する基盤にもなります。このように、我々の仲間になることには将来的に大きなメリットになるはずです。

あなたの可能性は当教室で無限大となります

周術期の全身管理を日常的に行う麻酔科医の能力は、集中治療や救急医療、疼痛・緩和医療など様々な医療分野の発展に貢献してきました。麻酔科医の可能性は無限大です。臨床医として様々な選択肢があります。もちろん、臨床と研究の両立も可能です。当教室はやる気のある方を積極的に受け入れます。

さあ、一緒に『いい仕事』をしましょう。当教室に興味のある方は、いつでもご連絡ください。現在の能力や出身大学、性別は全く関係ありません。当教室はいつでもオープンかつサポーティブです。