千葉大学大学院医学研究院
産婦人科学講座
千葉大学病院
産科・婦人科
2014/02/25
先々週末千葉でも大雪になりました(写真1)。雪の重みで、千葉大医学部正面玄関前の桜の大木が幹から折れてしまいました。折れた枝は、チェーンソーのお世話になって、いまはおがくずが残るのみです(写真2)。
写真1
写真2
私は、毎朝その木の下を通って医学部建物(某テレビ番組で、医学部の権威の象徴として画像が使われた重厚な建物です)に入ります(写真3)。春には、満開の桜の下をくぐっての通勤です(写真4)。
写真3
写真4
さて、チェーンソーのお世話になる前に、折れた幹から小枝を3本手折ってきました。ペットボトルに入れて(先客のリュウゼツランと同居です)おきました。1週間は変化なし、ところがおとといになって急につぼみが膨らみだし(写真5)、ついに昨日(写真6)から今日(写真7と8)にかけて開花しました。日中18度(夜間は温度不詳です)の私の部屋です。
写真5
写真6
写真7
写真8
2年前の春に、折れる前の桜が移った写真を探し出しました(写真9)。2本ある桜のうち後ろ側で、全体が見えていないほうの木です。今年は、少し寂しくなりそうですが、私の部屋は少し明るくなりました。
写真9
桜の花は、真っ白です。時間をおって、開花度が上がっていく様子が見て取れます。それぞれの枝や花芽が、温度情報などを積分して、自ら開花時期を決めていたのですね。生き物の情報処理能力に改めて、驚きです。
枝の先に、温度センサーと積分のための脳がついている。人の指はそうはいかない。一生涯、成長を続けるというbody designを採用した植物ならではの力です。
それにしても、環境への適応は見事です。環境を変えるのではなく、自らがかわって環境に合わせるのです。生物はそのようにして、生き永らえてきました。地球が誕生して46億年、最初の生命体から地球環境の変化にあわせながら、植物も動物も形を変え、新たな種となって、35億年間命を繋いできました。
PM2.5、農薬、放射性物質の拡散...最近でも環境汚染の話題は事欠きません。高速道路が整備され、リニア鉄道もあらたに作られようとしています。便利さは環境の破壊につながっています。
およそ、この世界に永遠にかわらずにいられるものはありません。エントロピーはかならず増大します。植物が環境に適応しながら生きていても、かならず環境も変わってゆきます。かりに生物が絶えても、地球環境は変わり続け、50億年後には太陽が白色矮星となり地球も終焉を迎えます。環境が変わることは避けられないことですが、問題はその速度です。あまりに早すぎるのです。ホモサピエンスの誕生をかりに200万年前とすると、この20年あまりの環境破壊の歴史は、わずかにその10万分の1の期間にすぎません。生命誕生からみると、2億分の1の時間です。
経済成長が、環境破壊とほとんど同義のように聞こえてしまうのは私の錯覚、幻聴でしょうか。国民総生産量(GNP、最近ではGNPに変えて国内総生産GDPや国民総所得GNIの概念が使われています)より、国民総幸福量(Gross National Happiness、GNH)を重視してきたブータンも変わりつつあるようで、残念です。
私は、環境になるべく負荷をかけない生き方をしたいと思っています。死ぬまでにどれだけ環境を破壊せずにすんだか(Gross Environmental Preservation、GEPとでもいうのでしょうか)を満足度の指標にしたいと思っています。
大雪で折れた桜が、3月26日開花しました。4月1日、満開です。
折れた枝をそのままにすると感染などでだめになることが多いそうです。折れた枝は地上から届かない高さにあり、当然のことながらそのままになっていましたが、無事開花しました。周囲の桜と同時の開花です。
枝振りがちょっと寂しい感じもしますが、周囲の桜と一緒に開花しました。