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フリートーク

大きく変わっている乳がん治療
だからこそ、早期発見が大切です
乳腺・甲状腺外科長 長嶋 健
- プロフィール
- 神奈川県出身。昭和63年、千葉大学医学部卒業後、千葉大学医学部附属病院第一外科に入局。
- 平成元年より関連病院に勤務し、平成5年より乳腺・甲状腺外科へ。趣味はランニング。今年は妻と二人で初の東京マラソンに出場する予定。フルマラソンに挑戦するのは初めてなので楽しみです。
術後の生活を考えた治療法が主流

乳腺・甲状腺外科にいらっしゃる患者さんの大部分は女性で、その多くが乳がんの患者さんです。
確立された治療法がまだない分野で、治療法自体もめまぐるしく変わっています。僕が医師になった頃は、大きく取ったほうがいいという考え方が主流だったんです。それが、1990年頃から温存の治療がスタートし、2000年代に入ってからは、「センチネルリンパ節生検」という、リンパ腺の縮小手術が主流になっています。結果論なんですが、取ったけれど転移していなかったという方がいらっしゃって、そうしたとき、大きく取ったことで後遺症が残ってしまうことがあるんです。それを防ぐ目的で始まったのが、「センチネルリンパ節生検」です。
代表的なリンパ節だけを調べて、そこに転移がなければ、もうそれ以上は取らない。患者さんの「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」、つまり「生活の質」を考えた治療です。がんを手術で取っても、後遺症に悩まされ続ける生活は辛いもの。手術後も、手術前と同様の生活を送れることが治療計画に含まれるようになっているのです。
早期発見のために検診を

治療の選択肢はとても多くなっています。たとえば、乳房を温存できなくても、乳房のふくらみは欲しいという方でしたら、乳房再建をすることもできます。また、メンタルの部分のケアもできるよう、乳がんに関する資格をもった看護師がいます。患者さんとコミュニケーションを取りながら、その方に合った、よりよい治療ができればいいと考えています。
ただし、それには早期発見が必要です。がんが進んでしまうと選択肢も狭まってしまいます。
早期発見をするためには、何よりも検診です。残念ながら日本のマンモグラフィによる乳がん検診率はとても低く、欧米先進国では70〜80%あるところが、日本では20%前後です。この差が、死亡率につながってくるので、定期的に検査を受けていただければと思います。
「再発」をゼロに近づけることが医師としての目標であり、使命

小学校の卒業文集には、「医者になって病気をなくす」と書いているんです。なぜそう書いたのかは覚えていないのですが(笑)
いま、日本人の16人に一人は乳がんになるといわれています。じつは僕も、自分のおふくろを手術しているんです。身近な病気なので、この病気の正しい理解をしていただき、定期的に検診を受けることを習慣にしていただきたいですね。「今日はちょっと時間があるから、マンモグラフィ受けておこうか」みたいな気楽な感じで検診してもらえるといいんですけど(笑)。
僕が生きている間に乳がんがなくなるというのは、ほぼ不可能だと思うんですね。ですから、乳がんになった方が心配なく暮らせるような状況を作る、つまり、「再発」を限りなくゼロに近づけることが、医師としての目標であり、使命だと思っています。

「未病」を「健康」に近づける
自然と密接に結びついた和漢診療学
和漢診療科長 並木 隆雄
- プロフィール
- 千葉県生まれ。千葉大学医学部のサークル、東洋医学研究会OB。
- 1985年千葉大学医学部卒業後、循環器内科医師として勤務。2005年、千葉大学大学院医学研究院に和漢診療科が設置され、同客員助教授となる。2010年に千葉大学大学院医学研究院和漢診療学准教授に就任、2011年、千葉大学医学部附属病院和漢診療科長、現在に至る。
漢方と西洋医学のいいとこ取りそれが和漢診療学

和漢診療科は2005年に誕生したばかりの新しい講座です。「漢方」のいいところと、「西洋医学」の最先端、双方のいいところを取り、最善の医療をめざそうというのが「和漢診療学」のコンセプトです。前任教授であった寺澤捷年先生が初めて提唱したものです。
現在の日本の診療は西洋医学がほとんどで、私たちのように東洋医学と併用している大学はそれほど多くはありません。じつは本場の中国でもそうで、東洋医学と西洋医学はまったく違う体系に属し、共存することはないのです。
皆さんも、西洋医学と東洋医学は相反するものだというイメージをお持ちかもしれませんが、私たちが目ざすのは、お互いに補い合える、より高いレベルの治療です。
和漢診療学は、いくつもの見方ができる医療です。複数の見方ができるということは、解決法も複数あり、患者さんを治せる確率も高くなります。しかしそれも、西洋医学のきちんとした判断があってのこと。西洋医学の診断や検査結果に基づいてはじめて、漢方などを治療に使うことができるのです。
西洋医学をベースに、一人ひとりに合った治療を

先日、ある患者さんからこんな手紙をいただきました。長年身体の痛みが酷く、坐薬を使って体調を崩し、姉を亡くされ、そのストレスで体調を崩してしまったのです。涙、汗、体液が出にくいという症状があったので、西洋薬にはない「うるおいを戻す」漢方治療をしたところ、症状がおさまってきたというお礼の手紙でした。
このように和漢診療は、西洋医学だけだと効果があまりになかった方、難病の方、治療法が確立していない、精神的なストレスを抱えている方などに、より高い効果を表します。患者さんのなかには、医療の現場を知り尽くした千葉大学病院の看護師さんも多くいらっしゃいます。「治っている」ことを知っているからこそ受診していただいているのだと、誇りに思っています。
「未病」の状態になったら注意

趣味は、旅行と落語。人の機微や人情が学べる落語は仕事にとても役立っています。人の心がわからないと、よい診察はできませんから。
旅は学会がらみになってしまうことが多いのですが、被災した東北にもよく行きました。紅葉が美しく、リアス式海岸の美しい三陸沖などがダメージを受けてしまったことが残念でなりません。
私たちの身体も、自然と密接に結びついています。いわゆる病気になるまでの不健康な状態のことを東洋医学では「未病」といいます。この状態を治しておくと、病気を未然に防ぐことができるのです。ですから、ちょっと体調が悪いと思ったら気軽に受診の予約をしてください。

循環器医療はダイナミック
だからこそ、緊急に対応できる医師が必要
循環器内科教授 小林 欣夫
- プロフィール
- 青森県生まれ。千葉大学医学部卒業後、さいたま~大阪~ミラノ~ニューヨークと拠点を変え、現在千葉大学医学部附属病院で8年目。千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学教授。妻、小5の長女、小4の長男、2歳半の次男との5人家族。
- 趣味は歴史的な物を見ること。姫路城と松本城が好き。
生活習慣病を放置しておくと動脈硬化に

循環器内科が扱うのは、「心臓」と「血管」の疾患です。具体的には、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、心不全、脳卒中などの病気です。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病をそのまま放置しておくと、「動脈硬化」を引き起こし、私たち循環器内科に来ていただくことになります。
具合が悪くなって通院してくる方は、いわゆるメタボ体型の方がほとんどです。だから患者さんにはまず、「痩せてください」と言います。自分が太っていたらそれも言えないので、私も気をつけています(笑)。家から病院までは歩くようにしていますし、万歩計を見ると、1日1万歩くらい歩いていますね。
生活習慣病は、生活に対する意識改革が最大の治療といえるので、循環器内科に来ることにならないよう、日頃から予防を心がけていただきたいと思います。
患者さんに「よくなった」と言われたくて

心臓や血管の病気は、治療によって状況の変化がダイナミックに表れます。たとえば、心筋梗塞などであまり状況のよくない方にカテーテルの治療をすると、目に見えてよくなります。そんなときに、「おかげでよくなった」と言ってもらえるのは、本当にうれしいですね。夜勤も多く、突然の呼び出しばかりの現場ですが、この喜びがあるから医者になったといえるかもしれません。
また、ミラノで1年間、ニューヨークで4年、海外経験をしました。とくに、自分のラボを持って研究していたニューヨークの心臓血管研究所での経験が、医師としての自分を大きくしてくれたと思っています。
アメリカには心臓疾患の患者さんが多く、心臓に対する意識もとても高いです。たとえば学会で新しい研究が発表されると、朝のニュース番組で発表されたりするんですよ。
医療も医療機器も、心臓の分野ではアメリカは最先端です。日本の医療には制約があり、認可に時間がかかるので、最新の医療機器はなかなか導入できません。また、基礎研究はかなり進んでいますが、臨床研究は遅れを取っています。私はアメリカでおもに臨床研究をやってきたので、それを痛感します。
千葉県の循環器医療を建て直す

医師として、循環器内科の教授として、大きな夢はいろいろあります。でも、今の大学病院や千葉の医療は、夢を語っている場合ではありません。臨床研修制度が変わったことで、千葉は今、深刻な医師不足状態です。
はじめにも言いましたが、循環器医療はダイナミックに治療の効果が現れます。それは裏返せば、悪化するのも早いということです。医師不足が原因で、患者さんを医師のいる遠くの病院まで運ぶような状況は改善しなくてはなりません。この問題解決に取り組むことが、今の私の使命だと思います。

放射線における新しい検査と
治療技術の開発が夢
放射線部 診療放射線技師長 桝田 喜正
ますだ よしただ
- プロフィール
- 昭和39年1月、千葉市出身。幼稚園から大学院まで学校はすべて千葉市内、診療放射線技師として千葉大学医学部附属病院に勤務。妻と娘(高1)と
トイプードル(12歳)の3人プラス"ワン"家族。 - 最近の信条は「夢は自分で実現する現実のもの」、ずっと思い続けていれば、いずれ道は開けてくる。趣味はユーザー歴20年のMacと庭いじり。
平成22年12月1日、診療放射線技師長に就任。
診療放射線技師の仕事はいまや多種多様

診療放射線技師の仕事というと、一般の方は肺や乳腺のレントゲン撮影、あるいは胃のバリウム検査などを想像されるのではないでしょうか。しかし、それはほんの一部でしかなく、私たちの仕事は想像できないほど多種多様で、高度な知識と技術が必要とされています。千葉大病院で行われている検査、治療だけでもX線CT検査から血管造影検査、MRI検査、核医学検査、放射線治療、画像情報処理管理などと細分化されています。また、それだけでなく、検査の装置は7~8年のサイクルで機械が入れ替わるため、他の医療の現場も同様ですが、常に新しい知識を吸収していかなければなりません。

私たち診療放射線技師は、放射線や画像診断装置を取り扱うプロ集団です。患者さんに対して安全に放射線を照射するという義務があり、高いプロ意識を持って仕事をしています。また千葉大病院の診療放射線技師は常に勉強する意欲を持ち、各種の専門資格取得や学会発表なども積極的に行っています。
週末の庭いじりで気持ちをリセット

現在の仕事に就くきっかけとなったのは、高校時代、看護師を目指す現在の妻に出会ったからです。彼女に触発され、同じ医療の道を模索していたのですが、工学や機械が好きな自分の資質を考え、診療放射線技師という仕事を選びました。
診療放射線技師歴25年のうち約20年間、MRI検査の現場で働いてきましたが、もっと深い知識を得たいと平成22年9月までの3年間、社会人大学院生として、医工学の研究を行っている千葉大学のフロンティアメ ディカル工学研究開発センターに通っていました。日中は診療放射線技師として働き、夜は論文や研究と忙しい毎日でしたが、とにかく楽しかった。この院生時代にコンピュータで4DのMRIをプログラミングすることに成功して、千葉大学から「優秀発明賞」をいただきました。この経験を活かし、放射線部とフロンティアメディカル工学研究開発センターとの連携を強化して、新しい検査、治療技術の開発を行っていきたいというのが目下の夢です。
診療放射線技師は天職ですが、やはり仕事中は緊張の連続。週末はなるべく仕事のことは忘れるようにして、のんびりと庭いじりをしています。小さなスペースですが季節の野菜を作ったり、大好きなバラの手入れをしたりと、土や草木に触れてリフレッシュ。気持ちをリセットすることが、仕事を充実させるコツかもしれませんね。

夢は白血病・リンパ腫を薬で治すこと
血液内科診療教授 中世古 知昭
なかせこ
- プロフィール
- 昭和37年11月、静岡県富士市に生まれる。サッカーで有名な静岡県立清水東高校卒業後、千葉大医学部卒業。現在千葉市中央区に住み、妻と長男(中2)、長女(小6)の4人家族。
- 信条は、患者さんとそのご家族、学生諸君に対しても、常に分かりやすいことばで話すこと。スポーツ観戦(特にサッカー)が大好きで、現在「iPad」にハマっている。
骨髄移植など国内有数の治療実績
血液内科は、血液やリンパ腺にかかわる病気を対象とし、病名でいうと悪性リンパ腫、白血病といった血液のがんから、鉄欠乏症貧血、血小板減少性紫斑病まで、幅広い疾病に対する診療を行っています。現在、千葉大病院で行っている血液に関する主な病気とその治療は次のとおりです。
- 急性白血病に対する化学療法=急性白血病の治療では、日本成人白血病研究グループ(JALSG)に参加し、最先端の化学療法を行っています。
- 造血幹細胞移植療法=造血幹細胞移植療法は、多岐にわたっていますが、患者さんに合わせて同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植、臍さいたいけつ帯血移植、同種ミニ移植、自家末梢血幹細胞移植などの治療法を選択しています。
- 悪性リンパ腫=リツキシマブ併用化学療法、放射線療法のほか、必要により自家末梢血幹細胞移植を行っています。

- 慢性骨髄性白血病=主にグリベック内服による外来通院治療を行っています。
- 多発性骨髄腫=サリドマイドやベルケイドなど最近新しく登場した治療薬を用い、さらに自家末梢血幹細胞移植や同種ミニ移植も行っています。
これらのうち、特に1986年から開始した骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍さいたいけつ帯血移植では、2010年3月現在、400人あまりの方に移植を行っており、国内でも有数の治療実績を誇っています。また、日本骨髄バンク、臍帯血バンクネットワークの認定施設になっていて、国際骨髄移植認定施設でもあり、北米骨髄バンクとも提携、海外から提供された骨髄の移植も行っています。
めざましい進歩を続ける治療技術

白血病やリンパ腫は、20年ほど前まではきわめて死亡率が高い病気だったのですが、最近次々と画期的な新薬や治療法が登場しました。その結果予後は大きく改善し、化学療法で治るがんの代表的な病気となってきました。またわが国が超高齢化社会を迎えたことで、近年患者数は増加傾向をたどっています。今後多くの医学部学生のみなさんが〈血液の病気〉と進歩の著しい血液内科の診療・研究に関心を持ち、とても魅力的なこの分野に入ってきていただきたいと願っています。
血液内科への思い

私が〈医師〉になろう - と思ったのは、小学生のとき、手塚治虫のマンガ『ブラック ジャック』を愛読し、病気に立ち向かう医師の姿に憧れたことがきっかけでした。
また〈血液内科〉を選んだのは、千葉大医学部5年生のとき、実習で急性リンパ性白血病の同年代の青年を受け持ったのが発端。たまたま前の年に千葉大病院で初めて骨髄移植が行われており、「なんとかこの青年を助けたい」と願ったものの、ついに亡くなってしまった - という痛切な経験から、「この道を究めたい」と決心したのです。
血液の病気に対する治療法は、めざましい進歩を続けていますが、まだまだ合併症や副作用などの問題が残っています。それだけにやりがいのある分野でもあり、私の最大の夢は〈骨髄移植をせず、副作用の少ない薬で治す方法を見つけること〉です。

<対症療法>から<根治療法>開発へ
アレルギー・膠原病内科教授 中島 裕史
- プロフィール
- 千葉県市川市出身で、現在は千葉市在住。
- 趣味は草野球、マラソン、フットサル、旅行(Auroraが見たい)。
音楽(主にロック)やお酒(量は飲めませんが)も好きです。
国民の3人に1人がアレルギー

私たちアレルギー・膠原病内科で診療している 病気は、気管支喘息などの<アレルギー疾患>と、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症などの<膠原病>といわれる疾患です。
読者のみなさんも、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど、アレルギー疾患のいくつかは、耳にしたことがあると思います。「国民の約3人に1人がアレルギー疾患に罹患している」といわれており、アレルギー疾患は今や<国民病>といっても過言ではないほどです。
このうち気管支喘息に苦しむ患者さんがアレルギー・膠原病内科に通院していますが、近年、吸入ステロイドを中心とした抗炎症治療を適切に行うことにより、ほとんどの患者さんの病勢を抑えることが可能となりました。当科では、吸入ステロイドで病勢を抑えきれない重症な患者さんに対しては抗IgE抗体による治療も積極的に行っています。
多彩な症状を呈し、診断が困難な膠原病

<膠原病>とは、病態の一部に自己免疫の関与が想定される全身性疾患の総称で、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、血管炎症候群といった多くの疾患が含まれます。発熱、関節痛、筋肉痛、発疹、むくみ、手足のしびれなど、多彩な症状を呈し、診断が困難なことも少なくありません。
当科では、関節超音波、PET等の画像検査や血液検査により適切な診断に努め、個々の病態に対応して、ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などによる集学的な治療を行っています。また、感染症や骨粗鬆症といった合併症に対する予防薬を投与するなど、きめ細かな診療を心がけています。これら診断法と治療法の進歩により、関節リウマチを含む多くの疾患で治療成績は格段に向上しています。
子供の頃、喘息に悩まされて・・・

私が<アレルギー・膠原病>の医師をめざした動機は、子供の頃小児喘息に悩まされた体験から、<免疫学>に興味を持ったことが大きいと思います。まだ解明されていないことが多い領域であることもアレルギー・膠原病内科に魅力を感じた理由の一つです。
アレルギー疾患や膠原病の治療法は、この10年で大きく進歩しました。しかし、これらの治療法は対症療法が中心であり、病勢を抑制することはできても、完治させることは困難です。今後も基礎研究、臨床研究を重ねて、1日も早く<根治療法>を開発したい――それが私の夢です。

使命は「高度医療」「研究開発」「教育」
心臓血管外科教授 松宮 護郎
- プロフィール
- 昭和36年広島市生まれ。大阪大学医学部に在籍中、恩師の講義で「心臓病にはまだまだ未解明の部分がたくさんあり、治療では外科の果たす役割が大きい」との話に強い関心を持ち、心臓外科の道へ。
- 信条は「何事にも持てる知識、技術を100%発揮すること」。
- 家族は妻と子供2人。趣味はゴルフ
ライフスタイルの変化で増える心臓病
日本人の病気による死亡原因の第1位は<がん>。2位は<心臓疾患>、3位が<脳血管疾患>で、これらのうち<心臓疾患>は、ライフスタイルの変化、特に食事の洋風化などとともに増加傾向を続けているといわれます。そのおもな原因は、悪玉コレステロールの蓄積などによる動脈硬化です。
心臓は、人間の全身と肺に血液を送るポンプの役割をする臓器であり、そのポンプとして働く筋肉を養う管が詰まったりすれば皆さんご存知の「心筋梗塞」や「心不全」「狭心症」を起こし、ポンプの弁が故障すれば「心臓弁膜症」となります。いずれも、血液の流れに異常が起こるわけですから、死亡につながる率も高いわけです。
他科との連携など問われる総合力
私の所属する『心臓血管外科』は、千葉大医学部では以前「第一外科」の中にありましたが、平成21年10月に独立し、私が初代教授を務めさせていただくことになりました。
おもな診療内容は、一つは血管が詰まり、血液が流れにくくなった場合に行う冠動脈のバイパス手術で、人工心肺をほとんど使わずに行い、術後死亡率、合併症の発生の点できわめてよい成績を挙げています。
また、心臓弁膜症については、患者さんの弁を温存する弁形成術を中心に治療を実施。そのほか、先天性心疾患、動脈瘤、胸部大動脈疾患、末梢血管疾患なども扱っていますが、それらの治療を進めていく中で、麻酔、集中治療、循環器、消化器、代謝内分泌、血液など他の診療科との連携・協力関係もふだんから築いておくことが大切です。何よりも大学病院の持つ総合力が高度医療実践のためには不可欠となります。
多くの専門医を育成したい!
こうした日頃の治療活動はもちろん重要なことではありますが、確立された治療法については一般病院で導入されていることでもあり、私共の役割としては心臓疾患に関する未解明の分野にチャレンジをし、新しい治療法を研究・開発していくことも忘れてはならないと思っています。
また、若手外科医の育成に力を注ぎ、臨床経験を積んでもらって、専門医を一人でも社会に、そして医療現場へ送り出すことに努めてまいります。「教育」「高度医療の提供」「新しい治療法の研究開発」の3つが私共大学病院の使命と考えております。
- 動脈硬化を防ぎましょう
- 1. 揚げ物や卵などの温め直し(特に電子レンジ利用)は避ける
- 2. 二度揚げやフライ油の長期保存はさける
- 3. ファストフードや油を使った加工食品を控える
- 4. バラ肉など脂身の多い肉は、網焼きやゆでる調理を-
- 5. 食物繊維(野菜、きのこ、海草、雑穀類)を努めて多く摂る





