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診療科・部門

耳鼻咽喉・頭頸部外科

診療体制

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岡本 美孝 科長(教授)

耳鼻咽喉・頭頸部腫瘍領域全般でトップクラスの医療を実践しています

千葉大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科は、100年以上の歴史を有し、千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教室と一体となって耳鼻咽喉科疾患の患者さんの治療に当たっています。

なかでも頭頸部腫瘍につきましては、3代前の北村武名誉教授がその治療法を確立されて以来、教室を挙げて取り組んで参りました。根本的な手術切除に加えて、欠損した部分を被覆し、形態や機能の保存・回復を図る再建手術を積極的に取り入れ、放射線治療、抗がん剤治療を併用して、高い治療成績を得ています。

さらに頭蓋底に広範囲に進展するがんや、通常は切除不能とされる内頚動脈浸潤がんに対しても、内頚動脈再建手術を併用して根本切除に取り組んでいます。また、一方でこのような拡大切除とは別に、比較的限局した鼻副鼻腔がん、頭蓋底浸潤がんには内視鏡手術によって患者さんの負担が少ない切除を行って早期退院、社会復帰を目指しています。

さらに、手術を中心とした従来の治療法に加えて、治療成績をさらに向上させ、かつ患者さんの負担を軽減することを目標に、免疫治療の開発に取り組んでいます。千葉大学の免疫学教室で発見・確立されたNKT細胞という強力な抗腫瘍作用を有する細胞を利用した頭頸部がんに対する免疫細胞療法は、文部科学省のがんトランスレーショナル研究事業での研究を経て、2013年から進行頭頸部がんの標準治療後の再発予防のための治療として先進医療として厚生労働省から認定され実施しています。また、唾液腺がんや悪性黒色腫に対しても臨床研究を実施しています。さらに、iPS技術を用いて作成されたiPS-NKT細胞を利用して理化学研究所と進行頭頸部がんの治療に向け、当科での実績を踏まえて早期の臨床展開を目指した共同研究を進めています。

また、腫瘍のみならず、依然として増加する花粉症を含むアレルギー性鼻炎に対しても、厚生労働科学研究班を組織して免疫治療を含む新規治療の開発に向けて多くの臨床試験を実施して参りました。現在は日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて花粉症に対する治療研究、好酸球性副鼻腔炎に対する新規治療開発に向けて取り組みを進めています。

その他、現在、音声障害の治療、超音波を駆使した診断法の向上、補聴器外来の充実に力を入れています。

今後も千葉県内の基幹病院として医師養成、医師派遣を含めてその責任を果たし、さらに国際化を目指す大学の附属病院として、新しい治療法の開発・実践に努めて参ります。

主な対象疾患

主な対象疾患 写真

咽頭がん・喉頭がん・唾液腺がん・甲状腺がんなどの頭頸部腫瘍、めまい・中耳炎・突発性難聴といった耳疾患、副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎などの鼻疾患、声帯ポリープ・声帯麻痺などの喉頭疾患、顔面神経麻痺、嚥下障害など、幅広い耳鼻咽喉科疾患を対象にしています。

特に皮膚悪性腫瘍は、手術療法、化学療法、放射線療法を組み合わせることで集学的に治療を行っています。

診療・研究内容

主な対象疾患・分野 診療・研究内容
頭頸部腫瘍の治療
(細胞免疫療法)
積極的に耳鼻咽喉科領域の悪性腫瘍(がん)治療に取り組んでいます。手術、抗癌剤、放射線治療を組み合わせて治療の成績を向上させてまいりました。さらなる治療成績の向上、患者さんの負担の軽減を目的に放射線医学総合研究所と協力して積極的な重粒子線治療も行っています。また、特に、再発や転移についてはその制御が難しく、有効な方法が少ないのが現状ですが、がん制圧にむけて種々な免疫治療を行っています。特にNKT細胞は血液中にわずかしか存在しませんが強力な抗がん作用を有しています。このNKT細胞の増殖、活性化を図るため患者さんの血液の細胞を利用した免疫療法は副作用もほとんどありません。有効性も確認され、平成25年度から先進医療として厚生労働省の認可を受けました。進行がんで従来の放射線や手術治療を受けて腫瘍が著名に縮小、消失している方が対象です。NKT細胞免疫療法により再発を防ぐことを目的にしています。詳しくはお問い合わせください。また、その他にも様々な臨床試験をおこなっています。
耳の病気
  • 耳の聴こえが悪い
  • 耳鳴りがする
  • めまいがする
  • 顔が半分動かない
  • 耳の腫瘍
わたしたちはこういった症状に対して、専門的に診断と治療をおこなっています。大学ならではの精密な聴力検査や内耳機能検査、画像検査、顔面神経検査などによって診断と治療をいたします。慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎、鼓室硬化症、顔面神経麻痺に対しては手術治療を行っています。手術に関しましては一般病院ではなかなか治療が困難な進行した真珠腫性中耳炎や再発性真珠腫に対しても必要に応じて脳外科と連携して手術にあたっています。
鼻の病気
(内視鏡下鼻内手術)
当科では慢性副鼻腔炎(蓄膿症および鼻副鼻腔の腫瘍)に対して内視鏡を用いた手術を積極的に行っています。内視鏡手術の特徴は、従来の手術方法と異なり、顔や歯肉に傷を作らず、内視鏡を用いて鼻内粘膜や腫瘍を完全に除去する点です。最小限の手術操作で最大限の治療効果が期待できるため、患者さんのメリットが大きい手術方法です。ただしこの方法は従来の手術に比べて鼻内の全体像が把握し難く、安全な手術のためには鼻内の解剖に精通した医師が手術を行う必要があります。当科で内視鏡手術を行う医師は、鼻内の解剖に精通しており、充分な手術トレーニングを受けた上で手術に臨んでおります。みなさまが安心して手術を受けられるよう、これからもより安全な手術を行う努力を続けていきます。
アレルギー性鼻炎 国民の20%以上が罹患しているアレルギー性鼻炎に対して、舌下免疫療法、乳酸菌を用いた治療、詳細なスギ花粉の飛散状況提供などに加え、新規治療法の臨床試験、治験を行っています。
アレルギー免疫療法 舌下免疫療法とは、アレルギーの原因物質に対して耐性をつける治療法です。花粉等のアレルギー物質を含むエキスを1日1回舌下にたらすという治療を1年半以上継続する必要はありますが、痛みや副作用も少なく、ご家庭で簡単に行えるメリットがあります。
当科では2014年10月20日より、「アレルギー免疫療法外来」を開始しました。舌下免疫療法を希望されるスギ花粉症の患者さん、通年性アレルギー性鼻炎の患者さんが対象です。
超音波診断 超音波診断は痛みがなく簡便で非常に有用な検査です。当科ではこの超音波検査の応用について研究しており、実際の現場でもその成果が活かされています。特に頭頸部腫瘍の早期診断やその治療方針の決定などに威力を発揮しています。手術に際しましてはさらに血流測定なども組み合わせた精細な超音波検査を行っており、手術成績の向上に寄与しております。

研究内容の詳細は、千葉大学大学院医学研究院の講座ホームページをご確認ください。

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実績(クリニカルインディケーター)