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大会長挨拶

学術大会の開催にあたって


第34回医療情報学連合大会(第15回日本医療情報学会学術大会)

大会テーマ:医療情報学が医生物学を造る ~医療情報学による医学の革新~

大会長:高林克日己(千葉大学医学部附属病院 企画情報部 教授)



病院情報システムの発展と普及をその使命としてきた医療情報学は、オーダエントリーシステム、PACSシステム、そして電子カルテの完成により、その目的を達成したかのように見えます。しかし医療情報学はそれに留まることなく次なるステップへの展開、すなわち医療施設間を結ぶ地域の医療情報ネットワークの構築、そして全ての医療情報を統合するような国家レベルのプロジェクト、さらには医生物学の原点ともいえるゲノム情報とのリンケージへと発展しつつあります。このように我々の目的はさらに壮大、崇高なものになろうとしています。医療を造り、医生物学を編むのが医療情報学の究極の目的となったのです。
一方で日本は既に超高齢社会に突入し、さらに10年後以降からは極端な高齢者過剰の峠を迎えつつ、このままでは2114年には明治維新前後の人口までに一気に降下するというジェットコースターに乗ることになるかもしれません。このような社会変革の中で当然医療の形態は大きく変化せざるを得ず、またそれに呼応できる医療システムを考えなければなりません。また現在の情報を収集・分析しどのような医療が将来必要なのかを精緻に予測するのも医療情報学の重要な役割といえるでしょう。
こうした展開になった時点で、もはやこの分野に従事する関係者は病院の片隅で作業するだけでよいはずはなく、もっともっと声を大にして主張しなければならない、世の中をリードしなければならない存在であると考えます。その役割がこの日本医療情報学会の責務であり、また連合大会に集う人たちに求められるものであると思います。第34回大会が我が国の医療を造る提言の場になることを期待し、幕張への多くの皆様のご参集をお待ち申し上げます。

大会長