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腹腔鏡手術の安全性について

医師と看護師が技術を高めて手術に臨んでいます

一昨年から、他病院での腹腔鏡手術による死亡例が報告され、
世の中の注目を集めています。
「腹腔鏡手術って安全なの?」そんな疑問にお答えします。

肝胆膵外科 前科長 宮崎  勝
肝胆膵外科 講師 吉富 秀幸
肝胆膵外科 助教 高屋敷 吏

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吉富講師、宮崎前科長、高屋敷助教(写真左から)

傷口が小さく、患者さんの負担も少ないが・・・

腹腔鏡手術とは、腹部に1~2cm程度の穴を開け、そこからカメラを入れて、モニターに映し出された画像を見ながら行う手術です。腹部を大きく切る開腹手術と比べて傷口が小さいため、術後の痛みが少なく、退院までの時間が短縮できるケースが多く、患者さんにとって負担が少ない手術として多くの期待を集めています。

しかしここ数年、肝臓の腹腔鏡手術で合併症を発症して死に至ったケースが相次いで報告され、各メディアで大きく取り上げられました。この事態を重く見て、厚生労働省や私たち医師が所属する日本肝胆膵外科学会は調査を進めてまいりました。その結果、死に至った手術例は、安全性が確立されていない「保険適用外」の手術だったことが判明しました。

つまり、安全性や有効性が確認されている「保険適用」の手術は患者さんにとって有効だといえます。

だからといって、保険適用外手術が禁止されているわけではありません。倫理的な問題や医学的な適用を専門医がきちんと検討し、患者さんへ説明・相談したうえで、慎重に行うことが求められるということなのです。

医師が技術的に難しいと感じる手術もあります

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肝胆膵外科の腹腔鏡手術

肝臓や膵臓(すいぞう)の腹腔鏡手術は技術的に難しいため、保険適用の有無に限らず、専門医がいる専門病院で受けることをお勧めします。

なお、千葉大学病院は、肝臓や膵臓の腹腔鏡手術の専門病院として登録されています。また、肝胆膵外科だけでなく、食道・胃腸外科や婦人科、泌尿器科など各科に専門医をそろえ、体制を整えて腹腔鏡手術を行っています。

ただし、腹腔鏡手術はあくまでも選択肢の一つです。専門医が患者さんを診断した結果、症状によっては開腹手術をお勧めすることもあります。患者さんの症状に合わせて、その方に合った適切な手術方法を判断しています。

今後も、より技術を高めながら、患者さん一人ひとりの症状に適応した手術を行ってまいります。

千葉大学病院の腹腔鏡手術実績

2011年から2015年までの間に、肝胆膵外科では215例の腹腔鏡手術を実施。千葉大学病院トータルでは、泌尿器科、食道・胃腸外科、呼吸器外科、小児外科、婦人科、周産期母性科も含め、3,243例の実績を積んでいます。なお、肝胆膵外科ではロボット支援手術も手掛けています。

手術を行う医師・看護師のさらなる技術向上に取り組んでいます

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腹腔鏡手術トレーナーによる研修

患者さんへの負担を軽くし、術後を快適に過ごしていただくためには、私たちの技術をこれまで以上に高めていく必要があります。そこで当院では、腹腔鏡手術をはじめとしたさまざまな治療の技術研修に注力しています。

当院には、医療安全を実践できるよう、医療者の育成を目指した「クリニカル・スキルズ・センター」があります。学生・若手の医師・ベテランの医師とそれぞれの層に応じて、腹腔鏡手術やロボット支援手術の教育研修を行っています。

プロフィール

肝胆膵外科 前科長 宮崎  勝
1975年に千葉大学医学部卒業、2001年から臓器制御外科学教授、2012年4月から2014年3月まで病院長、2016年3月まで肝胆膵外科長を務める。オフの日は、野球やジョギングなどで体を動かしてリフレッシュ。
肝胆膵外科 講師 吉富 秀幸
1990年に千葉大学医学部卒業、2013年4月より現職。オフの日は、小学1年生のお子さんと一緒にジェフユナイテッド市原・千葉を熱烈応援。「来年こそJ1昇格を!」。
肝胆膵外科 助教 高屋敷 吏
1996年に千葉大学医学部卒業、2007年7月より現職。オフの日は、1歳と3歳のお子さんと遊んでリフレッシュ&癒されている。

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