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自宅で治療できる「舌下免疫療法」

いのはなハーモニー41号(2015年4月) 掲載PDF(PDF形式、1,701KB)

スギ花粉症を根本から治したい!
予防にも挑戦しています

スギ花粉の季節が終わったこのタイミングだからこそ、来年に備えて少し早めに治療を始める「舌下免疫療法」をご紹介します。
花粉症ではない人を対象に、予防を目的とした臨床試験も行っています。

耳鼻咽喉・頭頸部外科教授(科長)
岡本 美孝

岡本美孝 写真

注射ではなく、舌の裏に投与する自宅で治療できる方法に

日本国内で約2,500万人が患っているスギ花粉症。その治療法には、薬で症状を和らげる対症療法と、根治が期待できる免疫療法があります。

免疫療法は、注射でアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させ、体質を改善していく療法です。保険適用が認められていますが、注射の痛みがあること、通院が大変なことが課題になっていました。

そこで、新たに昨年10月から保険適用になったのが、毎日1回スギ花粉エキスを舌の裏に投与する「舌下免疫療法」です。自宅でできるので、注射の痛みがなく通院の負担も少なく、また、全身におよぶ副作用の発現率も低いという安全性から、注目されています。欧米では、「舌下免疫療法」がすでに保険診療として用いられており、その効果も確立されています。

舌下免疫療法

写真2
スギ花粉エキスを舌の裏に滴下します。
2分間そのままにし、その後飲み込みます。
  • 治療の開始は11月頃までに
    花粉が飛散する3か月前、11月頃までに開始することが望まれます。
  • 自宅で毎日1回投与
    病院での投与は1回目だけです。その後は自宅で毎日1回投与します。経過観察のために必要な通院頻度は、9月までは2週間に1回、9月からは月に1回です。
  • 対象年齢は12歳以上から
    対象年齢は日本では原則12歳以上です。
  • 投与期間
    治療は最低約2年間です。

花粉飛散の3か月前から専門外来で治療をスタート

この治療を実施している病院は限られていますが、当院では専門外来を設けて、現在30人以上の患者さんを治療しています。

留意点は、治療の開始時期と期間です。花粉が飛散する少なくとも3か月前、11月頃までに開始することが望まれます。始めたら数日で効果が出る治療ではなく、最低2年間続けて、医師と相談しながら、体質改善を目指します。

予防のための臨床試験を実施

私たちは、舌下免疫療法が治療だけではなく、予防にも有効と考え、2014年から臨床試験を行い、効果を確かめているところです。

スギ花粉症は体質も大きく影響しますので、ご家族が発症されている方で予防に関心のある方など、ぜひ、ご参加ください。
留意点は、治療の開始時期と期間です。花粉が飛散する少なくとも3か月前、11月頃までに開始することが望まれます。始めたら数日で効果が出る治療ではなく、最低2年間続けて、医師と相談しながら、体質改善を目指します。

スギ花粉症を予防するための臨床試験参加者を募集しています

スギ花粉症ではない方で、同様の臨床試験を受けたことのない方を対象に、舌下免疫療法によるスギ花粉症の予防効果を調べる臨床試験の参加者を募集中です。

  • 対象者:
    スギ花粉症ではない18歳から65歳未満の方。
  • 内容:
    自宅でスギ花粉舌下エキスを1日1回2分間口に含み、症状日記を記入し、来院時に採血と皮膚テストを実施いたします。
  • 謝礼:
    試験後に謝礼金をお支払いします(来院時の交通費、駐車場料金は自己負担)。
  • 申込締切:
    2016年10月末まで

詳しくは、耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学ホームページをご確認ください。

プロフィール

耳鼻咽喉・頭頸部外科教授(科長) 岡本 美孝
1979年に秋田大学医学部卒業。2002年より現職。以前は釣りなどを楽しんでいたが、最近は忙しく仕事に追われている。