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進化する「内視鏡診断・治療」

いのはなハーモニー38号(2014年7月) 掲載PDF(PDF形式、1,687KB)

内部にひそむ患部を確実に捉えて治療しています

この数年、県内の大病院に導入され始めた「超音波内視鏡」。
当院では世界に先駆けて1995年より臨床応用を開始し、開発にも携わってきました。
普通の内視鏡との違いやメリットなど、担当医師がわかりやすく解説します。

内視鏡センター 副部長
露口 利夫

露口利夫 写真

表面的にはわからない病変の深さ・範囲を捉える

内視鏡とは、先端にカメラレンズや鉗子(かんし)のついた挿入部を身体の中に入れ、身体の内側から診断・治療をする医療機器です。

その中で最新のものが、超音波機能を兼ね備えた「超音波内視鏡」。食道や胃、大腸、すい臓などの粘膜の下の、通常では見ることのできない内部にひそむ臓器の病変部位を確実に捉えることができ、内視鏡診断が格段に向上しました。ピンポイントに病変部位に穿刺針(せんししん)を刺し、すぐさま病理診断を行うことも。

千葉大学病院では世界に先駆けて1995年より臨床応用を開始。開発にも携わり、2013年度、約750件もの超音波内視鏡検査の実績があります。

患者さんの負担も少なく

千葉大学病院では超音波内視鏡による診断だけではなく、内視鏡による先進的な手術治療を行っています。内視鏡手術には、患者さんにとって以下のようなメリットがあります。

  • 大きな傷をつけずにすむ
  • 消化管機能を温存できる
  • 入院日数も短縮される

開腹手術に比べて身体への負担が少ないので、入院日数も短くなります。とはいえ、病状によってリスクがゼロではありませんから、医師にご相談ください。

内視鏡による診断・治療は、病気の早期発見・早期治療ができるとあって、大きな期待が寄せられており、技術は進化し続けています。私たち医療スタッフも、引き続き技術の向上に取り組み、最善を尽くして患者さんの治療にあたってまいります。

超音波内視鏡による診断・治療

今後は、前立腺がん以外の手術への導入も考えられます。当院では、子宮がんなどの婦人科疾患や肝胆膵疾患、肺がん、食道がん、胃がん、直腸がんなどへの拡大に備え、臨床研究に取り組んでいます。

超音波内視鏡

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先端にカメラレンズや鉗子のついた挿入部(右手)を身体の中に入れ、目的部位を観察。左手の操作部でダイヤルを操作しながら検査します。
内視鏡の先端から穿刺針を出して、組織を採取できます。

画像診断

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超音波ビデオスコープの画像を内視鏡システムのモニターで確認して診断。
画像の鐘型の黒い影が腫瘍。白い影が穿刺針。
超音波内視鏡による病理検査で、病変の早期発見が期待できます。

プロフィール

内視鏡センター 副部長 露口 利夫
1984年、千葉大学医学部卒業後、千葉大学医学部附属病院消化器内科に入局し、2010年から現職。趣味はロードバイクで、週末には印旛沼まで往復約40kmを走行。仲間と九十九里や銚子までロングライドすることもある。