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救急部・集中治療部(織田 成人)

千葉大学病院ニュース33号(2013年04月) 掲載PDF(PDF形式、2,585KB)

救命救急医は全身管理のスペシャリスト
病院の内外で、救急集中治療につとめています

救急部・集中治療部 教授(部長)
織田 成人
プロフィール
鹿児島県出身。昭和53年、千葉大学医学部卒業後、千葉大学医学部第二外科に入局。昭和61~63年、米国Duke大学麻酔科に留学。昭和63年より千葉大学医学部附属病院救急部・集中治療部。平成18年、千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学 教授。専門は、ショック、敗血症性多臓器不全、急性血液浄化法。研究にも力を注ぎ、「日本版敗血症診療ガイドライン」を完成させたばかり。
妻、社会人になった長男との3人家族。趣味はジョギングとサッカー観戦。平日は5~8キロ、休日には10キロを走る。今年1月には「サンスポ マリンマラソン」でハーフマラソンを完走した。

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最重症の患者さんを治療

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今朝も5時50分に急患で呼ばれ、午前中に他病院からの患者さんを引き受けたところです。千葉市の救急医療体制のなかで、千葉大学病院は三次救急医療機関に指定されているので、救急部では、重症な救急患者さんや他の病院から紹介された患者さんを受け入れ治療しています。そして集中治療部では、術後の重症の患者さんの治療にもあたります。

アメリカのER式に救急患者の外来だけを診る病院もありますが、救急患者さんを最後まで診ることにこだわっています。全身管理のスペシャリストが救急医であり集中治療医であると考えるからです。

医師を志したのは兄の影響ですね。今は埼玉医大にいるのですが、鹿児島で下宿していた高校時代から、医師を目指して東大に入った兄を見ていて、自然にめざすようになりました。救急をやろうと思ったのは、医者になるからには、生死にかかわる場所で勝負をしたいと思ったからです。

千葉市の救命医療体制に貢献

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昔は救急医療体制が整っていなかったり、救急医もいなかったこともあって、病院の外で心肺停止になると、助かる方は1~2%でした。それが最近では、心肺停止しても、周囲に人がいれば、7~8%は助けられるようになっています。それでも海外に比べるとまだまだ低く、もっとも高いといわれるシアトルは40%。これには市民の協力も必要で、シアトルは市民の7~8割が心肺蘇生法を会得し、救急システムも整備されているんです。

僕らも「千葉を日本のシアトルに」を合い言葉に、千葉市の医師会と提携し、学校教育に心肺蘇生のトレーニングを取り入れたり、医師会で指導したりしています。

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救急救命士の制度ができて以来、千葉市の救急医療体制は変わり、我々も病院内にとどまらず、現場に出かけて治療もします。千葉市の消防局内で常駐医の役割をしたり、病院から離れた場所の急患の場合、消防のヘリに病院に迎えに来てもらい、当番のスタッフが乗って現地の救急車と合流し、そこで治療するという方法をとっています。昨年はこれで20数例の患者さんを助けています。

院内でも「METコール」(注)を取り入れ、異変が起こったときには、内線をコールすると、当番の医師が院内のどこにいても駆けつけられるようになっています。どんな状態になっても、「千葉大学病院にいれば安心」、患者さんにそう思っていただける、病院全体の安全管理にも貢献できればと思っています。

(注)
MET:Medical emergency team