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輸血・細胞療法部(井関 徹)

千葉大学病院ニュース32号(2013年01月) 掲載PDF(PDF形式、3,033KB)

医療の高度化で、輸血量が増える中
細胞療法も進めながら、安全な輸血を
目指しています

輸血・細胞療法部 診療教授(部長)
井関 徹
プロフィール
広島県出身。昭和56年、千葉大学医学部卒業後、千葉大学医学部第一内科に入局。平成10年~17年、東京大学医科学研究所附属病院勤務。平成17年より千葉大学医学部附属病院輸血部。
子供二人は社会人になって家を出て、現在は奥さまとの二人暮らし。趣味はサッカーだが、最近はプレーするよりももっぱら観戦。それも千葉大医学部サッカー部の試合など、マニアックな試合が多い。

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院内すべての輸血の管理と、輸血療法を行うのが私たちの仕事です。「輸血」は、善意のドナーの献血によって成り立っている点と、他人の血液を体に入れるという点で、薬剤を使うのとは異なる特殊な治療です。輸血というと赤い血液をイメージされる方が多いと思いますが、血液から採る血小板や新鮮凍結血漿などの成分も、輸血製剤です。

近年は、細胞を使った先端医療も私たちの業務の大きな柱になっていることから、これまでの「輸血部」が、新しく「輸血・細胞療法部」という部署名に変更しています。

輸血は増えているのに献血が減っている・・?

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医療の高度化を反映して、当院では骨髄移植などの造血幹細胞移植、生体肝移植、また、リスクの高い心臓の手術や出血量の多い外傷などの救急が多くなり、輸血量が増えています。輸血量の増加は、当院だけでなく全国的な傾向なのですが、若い人の献血が減っていて、需要と供給のバランスがとれず、危うい状態です。昔は10~20代の献血が多かったのですが、今は40~50代の献血で持ちこたえているのが現状です。

無駄な輸血をしない「適正な輸血」の推進はもちろんですが、輸血製剤には赤血球が21日、血小板が3日と使用期限があるため、期限切れ製剤の廃棄を避けるための在庫調整には常に気を配っていますが、献血量を増やしたいというのは、現場の切実な願いです。

進む細胞医療

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大学卒業後、平成10年から7年ほど東大医科学研究所附属病院に勤務したのですが、そこで当時日本では初めてだった成人の白血病の患者さんへの臍帯血移植が成功し、現在では標準的な治療になってきたことで、血液分野の研究がさらに面白くなりましたね。難治性の病気なだけに苦労も多いのですが、移植では世界のトップクラスの先生がそろっていて、ここでの経験が、とても刺激になっています。

従来の輸血の業務に加え、血液から採取した細胞を使う細胞治療などの先端医療は今後も増えてくると思います。iPS細胞が話題になりましたが、当院では最先端の治療は、未来開拓センターで行います。医療が進歩するにつれ、これらの治療が日常臨床で行われ、その際には細胞の採取、加工、保存など、当部で行う部分が増えてくると思います。

救急センターの建設予定もありますし、医療の標準化を進めながら先端医療に対応できる輸血チームを作っていきたいと思います。