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薬剤部(石井 伊都子)

千葉大学病院ニュース31号(2012年10月) 掲載PDF(PDF形式、3,102KB)

病気と薬のストーリーを伝えるのも薬剤師の仕事

薬剤部 教授(部長)
石井 伊都子
プロフィール
千葉県大網生まれ。1988年に千葉大学薬学部卒業後、千葉大学薬学部生化学研究室の教務職員、助手を経て、1999年に米国National Institute of Healthの博士研究員に。2001年千葉大学大学院薬学研究院、2003年病院薬学研究室の准教授に就任。2012年9月より、千葉大学病院薬剤部長。趣味はスポーツ、読書、恐竜。休日にはランニングなどで楽しむ。子ども時代は、恐竜とスポーツが大好き。恐竜図鑑を見ているうちに、自然に理数系や薬学に興味が向いていったという。

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千葉大学薬学部卒業後、大学職員として、高コレステロール血症(けっしょう)、動脈硬化を中心に血管を対象として研究を続け、この9月から千葉大学病院に来たばかりです。学部教育と違い、命の重みと、危険との隣り合わせという計り知れないものに直面し、毎朝自覚を新たにする日々です。

薬剤部のはたらき

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薬剤部は、薬の管理に始まり、患者さんに薬を安心してお使いいただくまでの、薬に関するすべてを扱う部署です。近年は薬物治療が複雑になり、処方される薬も日々変わっていきます。患者さんも複数の病気を併発されていることが多く、考えもしなかった薬同士の組み合わせが出てきています。ジェネリックという、新薬から一定時期を過ぎ、別の会社が同じ化学構造式で安価に提供する薬も含め、オーガナイズしていくのが薬剤部の役割です。でも、そのときに安全が保証されていないとダメ。データを正確に読み取って、安全が保証されているかを科学的に分析する力が、いま、薬剤師に求められていると思います。

薬剤師というのはこれまで、薬が置いてある薬剤部の中で働くというのが基本だったと思うんですね。でも、患者さんの状態を診て、患者さんに即した処方提言をしていくのも、これからの薬剤師には必要となってくるのではないでしょうか。

千葉大学病院にはいま、57名の薬剤師がいますが、そのうち7名が専属の「病棟薬剤師」として、患者さんに服薬指導をしたり、病棟によって、薬の効きぐあいや副作用の状況を診ています。患者さんとコミュニケーションを取って、その上で投与計画が立てられる。それが個別医療の原点だと思うからです。医師や看護師が患者さんに寄り添うように、薬剤師もその一員になれたらいいなと考えています。

薬とのつきあい方

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最近は、患者さんにも薬について詳しい方がいらっしゃいます。でも、どうしても断片的な知識になりがちなんですね。病気にはストーリーがあり、その方に適した薬があります。そのストーリーを伝えるのも、私たちの役目だと思っています。副作用がこわいから薬を飲みたくないという声を聞くことがありますが、医師は飲むことで病気が改善するという治療を選択しています。不安を感じていらっしゃる方は、口に出していただかないと伝わらないので、疑問を感じたら、どうぞ薬剤師に気軽に声をかけてください。私たち薬剤部は、皆さんに薬を安心して使っていただけるよう、全力でサポートしていきたいと思います。