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麻酔・疼痛・緩和医療科(磯野 史朗)

千葉大学病院ニュース30号(2012年07月) 掲載PDF(PDF形式、2,084KB)

痛み、苦しみを取り除く麻酔医療は、
医療の原点です

麻酔・疼痛・緩和医療科 教授(科長)
磯野 史朗
プロフィール
昭和33年、千葉県勝浦市生まれ。昭和59年に千葉大学医学部卒業後、千葉大学医学部麻酔科に入局。千葉県救急医療センター等での勤務、カナダ留学を経て、平成元年に再び千葉大学医学部附属病院へ。
妻、薬剤師を目指す長女、高校生の次女との四人家族。休日にはサイクリングなどを楽しむ。睡眠時無呼吸の臨床研究で知られ、『ためしてガッテン』など、テレビ番組などの出演もしばしば。

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麻酔科医とは

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手術中に痛みを取るために麻酔をかけたり、麻酔中の人の命を守るために血圧や呼吸の状態を管理する「全身管理」が、麻酔科医である私たちの仕事です。

麻酔には選択肢がたくさんあります。手術によってある程度は決まっていくのですが、手術前に患者さんの状態を把握し、呼吸が悪いからこの麻酔にといったように、麻酔の計画を立てていきます。このように、その人に合った麻酔をかけることを、私たちは「考える麻酔」と呼んでいます。

「すべての患者さんに、安全な医療を苦痛なく」受けていただくことが、麻酔・疼痛・緩和医療科のミッションなのです。

痛み、苦しみを取り除く緩和ケア

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痛い、苦しいは患者さんにとって最も辛い症状です。さまざまな原因による苦しみ・痛みを和らげるのも、麻酔・疼痛・緩和医療科の役目です。

例えば手術後の痛みをゼロにはできませんが、苦痛と感じるほどの痛みは取ることができます。痛みを我慢するほうが手術後の経過にはよくないので、痛み止めを使ったほうが、治療にプラスになります。

そういった痛み、苦しみを取り除くことを治療の目的とする場として、千葉大学病院には緩和ケア病棟があります。患者さんのQOL(生活の質)を重視した快適に過ごしていただくための治療に力をいれています。

睡眠時無呼吸の研究

大学では、睡眠時無呼吸の臨床研究をずっと行っています。通常、全身麻酔で意識が無くなると気道が閉塞します。麻酔科医が気道を確保して患者さんに酸素を送ることになりますが、特に睡眠時無呼吸の患者さんでは、これが難しく、時にはとても危険な状態になることがあります。私たちの研究から、睡眠時無呼吸の患者さんを、手術前段階から見つけ、治療、術中の管理、術後のケアをきちんと行えるようになりました。現在は、麻酔中や手術後の気道管理に関して、世界トップレベルの治療をしています。

ストレスフリーの麻酔をめざして

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私がいい麻酔だなと思うのは、麻酔の影響もなく、手術の影響もない、「ストレスフリーの麻酔」です。昔は手術というとストレスがかかるのは当たり前で、手術後痛がったりするぐらいは当たり前でした。今は大きな手術をしても、患者さんの家族が来て、「あれ?ほんとに手術したの?」と驚くこともあるほど。患者さん自身にまったくストレスのない麻酔をかけられるようになるのが理想ですね。