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放射線科(宇野 隆)

千葉大学病院ニュース29号(2012年04月) 掲載PDF(PDF形式、3,130KB)

医療装置が高度になるほど、
使う人の力も求められる。

放射線科 教授(科長)
宇野 隆
プロフィール
東京都出身。昭和63年に千葉大学医学部卒業後、千葉大学医学部附属病院放射線科に入局。国立国際医療センター放射線科での勤務を経て、再び千葉大学医学部附属病院へ。妻、小学4年の長女との三人家族。
趣味は、サッカーとカメラ。最近はテレビ観戦だが、学生時代はボランチとして活躍した。学会の帰りなどに、愛用のニコンで、風景写真などを撮るのが楽しみ。診察室には、自作の写真も飾られている。昭和37年12月17日生まれ。

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画像診断装置が変えた放射線治療

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放射線科での診療には、「画像診断」「核医学」「放射線治療」という三つの大きな分野があります。近年は、CT、MRIなどの画像診断装置の進歩で、どこに悪性腫瘍(がん)があり、どこまで拡がっているかということまでわかるようになりました。それに引っぱられるように、腫瘍に正確に当てる技術も進歩し、放射線を使った治療は、いろいろな疾患に使われるようになりました。

しかし、日本は被爆国ということもあり、放射線治療というと、副作用や、がんになるのではないかという心配をされる方も少なくありません。また、がん治療の場合、患者さんやご家族の方に、治療法を選んでいただくことになります。そのため、さらに、理解していただけるように努めていきたいと思っています。

使う人の力が求められる時代

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同じ名前の病気でも、人それぞれ、進み具合、体の具合、臓器の大きさが違います。CTで取得したデータは、コンピューターで分析し、一人ひとりの病状に合わせて、放射線治療のプランニングをします。このプランニングを治療装置に転送すると、機械が放射線を当ててくれます。

しかし、その装置を使って治療をするのは、医師であり、医学物理士であり、放射線技師といった人間です。どんなに素晴らしい装置があっても、位置を数センチ間違えたり、CTに映っているものを読み取れなかったとしても、機械はその診断のまま放射線治療をしてしまいます。装置が高度になればなるほど、使う人の力も求められる。そういう時代になっていると思います。

日常診療をフィードバック

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臨床の現場では、患者さん一人ひとりの違いを感じ、日々、驚かされています。これだけ医学が進んでいても、標準的な治療だけで治ってしまう人がいれば、標準的な治療をしていても運悪く再発してしまう人もいるのです。

大学病院としては今後、どういう方が標準的な治療に向いていて、どういう方が不向きなのかということを追求していかなくてはならないと思います。

そして、単に最新機器を使いこなすだけではなく、より高度な治療法を開発しなければなりません。それには、われわれが日常診療で気づいた現場の経験を、治療装置にフィードバックしていく必要があると思っています。