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血液内科(中世古 知昭)

千葉大学病院ニュース23号(2010年10月) 掲載PDF(PDF形式、1,138KB)

夢は白血病・リンパ腫を薬で治すこと

血液内科 診療教授(科長)
中世古(なかせこ) 知昭
プロフィール
昭和37年11月、静岡県富士市に生まれる。サッカーで有名な静岡県立清水東高校卒業後、千葉大医学部卒業。現在千葉市中央区に住み、妻と長男(中2)、長女(小6)の4人家族。
信条は、患者さんとそのご家族、学生諸君に対しても、常に分かりやすいことばで話すこと。スポーツ観戦(特にサッカー)が大好きで、現在「iPad」にハマっている。

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骨髄移植など国内有数の治療実績

血液内科は、血液やリンパ腺にかかわる病気を対象とし、病名でいうと悪性リンパ腫、白血病といった血液のがんから、鉄欠乏症貧血、血小板減少性紫斑病まで、幅広い疾病に対する診療を行っています。現在、千葉大病院で行っている血液に関する主な病気とその治療は次のとおりです。

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  • 急性白血病に対する化学療法=急性白血病の治療では、日本成人白血病研究グループ(JALSG)に参加し、最先端の化学療法を行っています。
  • 造血幹細胞移植療法=造血幹細胞移植療法は、多岐にわたっていますが、患者さんに合わせて同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植、臍さいたいけつ帯血移植、同種ミニ移植、自家末梢血幹細胞移植などの治療法を選択しています。
  • 悪性リンパ腫=リツキシマブ併用化学療法、放射線療法のほか、必要により自家末梢血幹細胞移植を行っています。
  • 慢性骨髄性白血病=主にグリベック内服による外来通院治療を行っています。
  • 多発性骨髄腫=サリドマイドやベルケイドなど最近新しく登場した治療薬を用い、さらに自家末梢血幹細胞移植や同種ミニ移植も行っています。

これらのうち、特に1986年から開始した骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血(さいたいけつ)移植では、2010年3月現在、400人あまりの方に移植を行っており、国内でも有数の治療実績を誇っています。また、日本骨髄バンク、臍帯血バンクネットワークの認定施設になっていて、国際骨髄移植認定施設でもあり、北米骨髄バンクとも提携、海外から提供された骨髄の移植も行っています。

めざましい進歩を続ける治療技術

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白血病やリンパ腫は、20年ほど前まではきわめて死亡率が高い病気だったのですが、最近次々と画期的な新薬や治療法が登場しました。その結果予後は大きく改善し、化学療法で治るがんの代表的な病気となってきました。またわが国が超高齢化社会を迎えたことで、近年患者数は増加傾向をたどっています。今後多くの医学部学生のみなさんが〈血液の病気〉と進歩の著しい血液内科の診療・研究に関心を持ち、とても魅力的なこの分野に入ってきていただきたいと願っています。

血液内科への思い

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私が〈医師〉になろう - と思ったのは、小学生のとき、手塚治虫のマンガ『ブラック ジャック』を愛読し、病気に立ち向かう医師の姿に憧れたことがきっかけでした。

また〈血液内科〉を選んだのは、千葉大医学部5年生のとき、実習で急性リンパ性白血病の同年代の青年を受け持ったのが発端。たまたま前の年に千葉大病院で初めて骨髄移植が行われており、「なんとかこの青年を助けたい」と願ったものの、ついに亡くなってしまった - という痛切な経験から、「この道を究めたい」と決心したのです。

血液の病気に対する治療法は、めざましい進歩を続けていますが、まだまだ合併症や副作用などの問題が残っています。それだけにやりがいのある分野でもあり、私の最大の夢は〈骨髄移植をせず、副作用の少ない薬で治す方法を見つけること〉です。