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アレルギー・膠原病内科(中島 裕史)

千葉大学病院ニュース22号(2010年7月) 掲載PDF(PDF形式、966KB)

【対症療法】から【根治療法】開発へ

アレルギー・膠原病内科 教授(科長)
中島 裕史
プロフィール
千葉県市川市出身で、現在は千葉市在住。
趣味は草野球、マラソン、フットサル、旅行(Auroraが見たい)。
音楽(主にロック)やお酒(量は飲めませんが)も好きです。

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国民の3人に1人がアレルギー

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私たちアレルギー・膠原病内科で診療している 病気は、気管支喘息などの【アレルギー疾患】と、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症などの【膠原病】といわれる疾患です。

読者のみなさんも、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど、アレルギー疾患のいくつかは、耳にしたことがあると思います。「国民の約3人に1人がアレルギー疾患に罹患している」といわれており、アレルギー疾患は今や【国民病】といっても過言ではないほどです。

このうち気管支喘息に苦しむ患者さんがアレルギー・膠原病内科に通院していますが、近年、吸入ステロイドを中心とした抗炎症治療を適切に行うことにより、ほとんどの患者さんの病勢を抑えることが可能となりました。当科では、吸入ステロイドで病勢を抑えきれない重症な患者さんに対しては抗IgE抗体による治療も積極的に行っています。

多彩な症状を呈し、診断が困難な膠原病

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【膠原病】とは、病態の一部に自己免疫の関与が想定される全身性疾患の総称で、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、血管炎症候群といった多くの疾患が含まれます。発熱、関節痛、筋肉痛、発疹、むくみ、手足のしびれなど、多彩な症状を呈し、診断が困難なことも少なくありません。

当科では、関節超音波、PET等の画像検査や血液検査により適切な診断に努め、個々の病態に対応して、ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などによる集学的な治療を行っています。また、感染症や骨粗鬆症といった合併症に対する予防薬を投与するなど、きめ細かな診療を心がけています。これら診断法と治療法の進歩により、関節リウマチを含む多くの疾患で治療成績は格段に向上しています。

子供の頃、喘息に悩まされて・・・

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私が【アレルギー・膠原病】の医師をめざした動機は、子供の頃小児喘息に悩まされた体験から、【免疫学】に興味を持ったことが大きいと思います。まだ解明されていないことが多い領域であることもアレルギー・膠原病内科に魅力を感じた理由の一つです。

アレルギー疾患や膠原病の治療法は、この10年で大きく進歩しました。しかし、これらの治療法は対症療法が中心であり、病勢を抑制することはできても、完治させることは困難です。今後も基礎研究、臨床研究を重ねて、1日も早く【根治療法】を開発したい――それが私の夢です。