千葉大学医学部附属病院救急部・集中治療部
Chiba University Graduate School of Medicine, Deparment of Emergency and Critical Care Medicine

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教授挨拶 織田成人

平成18年8月1日に平澤博之前教授の後任として千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学教授、千葉大学医学部附属病院救急部・集中治療部部長に就任いたしました織田成人です。我々のホームページをご覧いただいている皆様に一言ご挨拶申し上げます。

我々の教室は昭和54年に救急部として診療をはじめ、昭和57年の集中治療部の新設に伴い救急部・集中治療部が一つになり、専任のスタッフが救急外来の診療とICUにおける重症患者管理の両方を担当してきました。そして平成7年に全国国立大学第4番目の救急医学講座となり、平澤博之教授が初代教授に就任されました。さらに千葉大学が大学院大学となったのに伴い平成13年には臓器不全病態学となり、その後救急集中治療医学と名前を変えて今日に至っております。現在のスタッフはすべて救急科専門医、集中治療専門医の両方の専門医を取得した、あるいはその取得を目指して我々の教室へ入ってきた医師で構成されています。対象となる疾患や病態は、心肺停止、多発外傷、広範囲熱傷などのいわゆる3次救急患者から、院内や他院で発生した多臓器不全、ARDS、急性腎不全、劇症肝不全、重症急性膵炎、重症敗血症、敗血症性ショックなど、内科系、外科系を問わずあらゆる重症患者に対応しています。また、腹部救急疾患や軟部組織感染症などに対する手術等も行っております。

救急医療とは主として院外で発症した救急疾患を診療する部門であり、集中治療とは主として院内で発症した重症例を診療する部門です。一見この二つは異なった専門領域のように思えますが共通項があります。それはCritical Care(重症患者管理)というkeywordで表されます。すなわち救急医療にしても集中治療にしても、その根幹は生命危機に瀕した重症患者、特に重要臓器の急性機能不全を伴っているような重症例の診療です。我々は前任の平澤博之教授のご指導の下、このCritical Careを中心に、研究、診療、教育を行ってきました。教室のメインテーマは、救急・集中治療領域で最も死亡率が高い多臓器不全の病態生理の解明と治療法の確立です。特に近年は多臓器不全発症の一因となっているサイトカインをターゲットとした研究や治療を行い、数々の成果を挙げております。また、持続的血液濾過透析(CHDF)はわれわれが日本ではじめて導入した重症患者に対する腎補助療法であり、現在では単なる腎補助療法としてのみでなく血中から臓器不全発症の原因とされているサイトカインをはじめとする各種メディエータを除去する目的で使用し、数々の臨床効果をあげております。CHDFをはじめとする急性血液浄化法に関して、われわれは世界の最先端を行く研究・治療を行っていると自負しております。

我々の教室の特長は、単に日常の診療をこなすのではなく、臨床に応用可能な基礎的な研究を積極的に行い、その研究成果に基づいた診療を実践するという、平澤博之前教授が提唱された"Academic Critical Care"という語に象徴されます。 私は大学病院の使命は、最良の医療を提供することと、そのために常に臨床に活かせる研究を行うこと、そして優秀な医師を育てることであると思います。昨年から今年にかけ、我々の教室から松田兼一前講師が山梨大学救急部教授に、志賀英敏前講師が帝京大学ちば医療センターの集中治療センター教授に転出いたしました。これは平澤博之前教授のご指導と我々のこれまでの成果が認められた結果であると自負しております。一方では、彼らに続く優秀な人材を育てることが私のこれからの責務であると思っています。そのためには、マンパワーが必要です。現在、教室では多くの若手医師が、診療、研究に忙しい毎日を過ごしておりますが、関連病院である成田赤十字病院救命救急センター、君津中央病院救命救急センター、千葉市立青葉病院救急部をはじめ、関連病院のスタッフを充実させ、地域医療に貢献するためにも人材が必要です。救急医学、集中治療医学の専門医を目指す多くの若者が、我々と一緒に同じ目標に向かって進んでくれる事を切望しております。