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「五月病」は休息の状態

千葉大学病院ニュース33号(2013年04月) 掲載PDF(PDF形式、2,585KB)

「五月病」は休息の状態

双極性障害

イラスト

いまの時季になるとよく耳にする「五月病」という言葉。これは精神医学的な病名ではなく、大学の新入生や新入社員が、新しい環境に適応できないことから5月頃に陥る意欲低下を表す造語です。また、大学入試時に5時間睡眠では不合格、4時間睡眠で合格という「四当五落」という言葉があります。
この二つには大きな関係があります。最近、「双極性障害」という病気が注目されています。一般人口の6~9%で経験する一般的な病気ですが、この4、5時間睡眠というのは短時間睡眠にあたり、この状態は「軽躁的状態」と考えられます。そうです「五月病」は「双極性うつ病」の可能性が高いのです。同様の症状は、企業人が大きなプロジェクトを不眠不休で仕上げた後にも見られます。
つまり「五月病」は、社会的には、「頑張ってきた人」がその反動として患う「休息の状態」で、精神医学的には「双極性うつ病」ということが考えられます。ほかにも類似の症状を来す身体疾患や精神疾患もあるので、「五月病」を「サボり」と考えずに一度専門家を受診することをお薦めします。

(精神神経科 教授 伊豫雅臣)