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治る「認知症」

千葉大学病院ニュース27号(2011年10月) 掲載PDF(PDF形式、2,099KB)

治る「認知症」があります

認知症

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認知症は治らないと諦めてはいませんか? 認知症の原因はさまざまです。アルツハイマー病といった、脳そのものの病気では、治療に反応しない方もまだまだ多いのですが、気づいて治療すれば治る場合が、じつは多いのです。
たとえば、脳神経外科であつかう疾患にともなった認知症の場合は、比較的よく治ります。甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミンやミネラルの不足、心不全といった、脳以外の内科的な疾患や、一部の良性の脳腫瘍や高齢者に多い正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などが、それに当たります。
よく治る認知症には、3つの共通点があります。
1つ目は、歩行がふらつく、尿漏れがある、足がひどくむくむようになった、手足に力が入りにくくなったなど、認知症以外の症状を、多く合併していることがあげられます。
2つ目は、人格が比較的保たれ、昼寝をよくする、テレビを見ながら寝てしまう、食事中に寝てしまうなど、眠気が増して集中力が低下した状態が見られることです。
3つ目は、経過が比較的早く出ていること。2~3カ月で急に症状が出たときには、治療可能な病気が隠れていることが多いのです。
もしも、ご家族にどれか思い当たることがありましたら、あきらめずに、すぐに、脳神経外科か神経内科に相談することをおすすめします。すべての認知症が治らないわけではありません。治る認知症もあるのです。

(脳神経外科 講師 村井尚之)