神経原性腫瘍(neurogenic tumor)

概 念

交感神経、肋間神経などの神経から発生する腫瘍です。
交感神経幹由来のものが多く、胸の後方(後縦隔といいます。)に発生するものが多いです。

分 類

神経原性腫瘍(neurogenic tumor)は@神経線維に由来するものと、A神経節に由来するものの2種類に大きく分類されます。
*神経線維に由来
神経線維腫(neurofibroma)
(悪性神経線維腫)
神経鞘腫(neurilemmoma=schwannoma)
(悪性神経鞘腫)

*神経節細胞に由来
・神経節細胞腫(ganglioneuroma)
・神経芽細胞腫(neuroblast)
・褐色細胞腫(phechoromocytoma)
・神経節芽細胞腫(ganglioneuroblastoma)

成人の大部分は神経線維由来であり、95%以上で良性です。
小児の場合は、神経細胞由来が多く、悪性の割合が高いのが特徴です。

症 状

良性のものは概ね無症状のことが多く、検診や他の病気などをきっかけに発見されることもあります。
時に神経の圧迫症状、Horner症候群(眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹、発汗減少など)などを起こすこともあります。

検 査 ・ 診 断

神経原性腫瘍の多くは交感神経幹からの発生が多い。画像検査の特徴として後縦隔に椎体の近傍、肋間などに沿って多く存在すること、腫瘍の境界がはっきりしており、辺縁が平滑、腫瘍の内部が比較的均一であることなどが挙げられます。CTMRIが腫瘍の局在、大きさ、伸展範囲等を把握するのに有効です。レントゲン写真でも発見可能ですが、場所が心臓や、肺門と重なってはっきりと見えにくいことがあります。通常腫瘍は針などを刺して一部細胞を取って確定診断を得ることがありますが、腫瘍の場所などの理由により術前の確定診断がつきにくい事があり、手術で確定診断となることが多いようです。


         写真:左の肋間神経から発生した神経鞘腫(→)のCTです。

治 療

外科的切除が第一選択になります。
当施設では、良性の神経原性腫瘍に対し胸腔鏡というカメラを補助としてなるべく浸襲の少ない手術を提供しています。
神経の機能温存に注意し、必要であれば開胸して腫瘍を摘出することもあります。
基本的には、外科的に切除されれば再発は少なく、予後は良好ですが、悪性化の報告などもあり注意を要する場合もあります。

    写真: 胸腔鏡での手術です。3箇所程度の小さな傷で腫瘍を取り出します。