千葉大学脳神経外科

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  脳神経疾患に対するPET検査
脳神経疾患に対するPET検査
千葉療護センター
内野福生

PET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影)は最近ではガンに対するPET検診が有名になり、PETという言葉も広く知られるようになりました。この検査は、ポジトロン(=陽電子:プラスの電気を帯びた電子)を放出する核種で標識した薬剤を投与し、その体内の分布をカメラで撮影する診断法です。自動車事故対策機構 千葉療護センター(千葉市美浜区)ではサイクロトロンとともに最新・高性能のPET/CTを、2007年4月に導入しました。このPETを地域医療に貢献できるよう、すべての医療機関から予約が可能な体制を整えています。脳神経外科領域では脳腫瘍などの診断・治療評価にはもちろんのこと、全身のガン診療にも利用できます。

脳腫瘍の診断では、18F‐FDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を注射して脳腫瘍がブドウ糖をたくさん消費することを利用して診断を行います(図1)。しかし、正常の脳自体がFDGの取り込みがさかんで、悪性度の低い神経膠腫には集積しないことが多く、診断が困難な場合があります。

その欠点を補うため、11C‐メチオニンを用いた脳腫瘍のPET検査も行っています。11C‐メチオニンは中性アミノ酸の一種です。脳腫瘍、特に悪性度の高い脳腫瘍(神経膠腫)では取り込みが亢進しており、ある程度悪性度の指標になります。(図2)

FDGを用いたPET検査は多くの施設で可能ですが、メチオニンPET検査は国内でも放射線医学総合研究所など限られた施設でのみ可能です。当院では放射線医学総合研究所などのご指導のもとに、検査をおこなっております。メチオニンPETは腫瘍の再発診断にも有用で、再発をより早期にとらえることで迅速に治療に移行することが可能になります。また当院のPETはPET/CT画像ですので以前のPET単体より正確な位置情報が得られます。そのためニューロナビゲータなどの手術機器とデータ連携し、腫瘍範囲の同定に役立てています。

図3 メチオニンPET/CT検査:再発脳腫瘍(mpeg形式)

日本では保険未適用ですが、アルツハイマー病など認知症の早期診断に18F‐FDGPET検査が役立つことが知られています。初期のアルツハイマー病では頭頂葉でブドウ糖の取り込みが低下していることが重要な所見です。アルツハイマー病などの認知症を早期に的確に診断を行うことが可能です。

当院では核医学専門技師と核医学専門医が常駐しており、脳疾患・全身性疾患の治療に役立つ画像を提供できるよう、心がけております。今後もさらに脳神経系の精査に役立つような薬剤(11C‐フルマゼニル、15O‐水、15Oガス検査、11C‐酢酸 18F‐DOPA)が追加される予定です。

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